-孤独の戦士-

□code.15【Welcome to Tamakoma!:後編】
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そろそろ夕食の用意をしなければならない午後4時頃。


泊まっていくということは、御飯もごちそうになるということ。

何もしないのも申し訳ないので、お手伝いをする流れに。


昨日 小南が作ったカレーの残りがある。

しかし量で言うと3〜4人分くらい、ボスも入れると8人と1匹分にはとても足りない。

冷蔵庫を開けると、食材はキャベツとキュウリ…頑張ってもサラダにしかならず。


すると陽太郎が「おれにまかせろ」と、魚を釣り始めた。

遊真は付き添いで、修は米とぎ 千佳はお皿の用意。



「アユちゃんは…───

‘アユちゃーん♪︎’


「『!』」



アユにも何か手伝いをと 宇佐美が指示しようとした時、ドアの方から声が。



「やることないなら、おれの手伝いしてくれな〜い?」



うさんくさい笑みを浮かべた 迅悠一という男が、手招きをしていた。



「迅さんまたそうやって〜!」


「手伝いしてもらいたいだけだよ、宇佐美はおれをなんだと思ってんの」


「さっきので充分セクハラでしょうが!」



前科と普段の悪事で信用されてない19歳。

同い年の似非双子さんとは大違い。



『うさみさん』


「「!」」



必死に阻止しようとしてくれる栞に“外向き”の呼び方。

遊真が居なかったので不審がられることはない。


エプロンを取ろうとして止めたアユが、2人を見る。



『…実際こっちの手は足りてますし、何もしないのも悪いですから 手伝いしてきます』


「で、でも…」


『大丈夫ですよ、何かあったら…蹴るんで』



本当に心配する彼女を他所に爆弾発言。

『何を』とは言わないし、冗談にも聞こえない。

さっきのナイス肘打ち案件で、強がりと思えず。



「(あ…これほんとに手出したら終わるやつだ…)」



男は悟った…自らの危機を。


千佳達に手を振り、リビングから出るアユと迅。



『…で?』



扉を閉めた瞬間、別人格といっても過言ではない程の変わりよう。



「…すっごい急変した」


『今更だろ』



思わずつっこむが、言外に長い付き合いだと返す。

こういう場面は数えるくらいなものの、無かった訳では無いので。



「…じゃ、行こっか」


『…行く? 外出るのか?』


「うん、おれと買い物行こ」


『………』



一体何をさせられるかと思えば、外出しようと言われる。

もしかして晩御飯絡みかと予想するが、同伴者の問題。

いつもの腕組みで軽く睨む。



「…何も企んでないよ、おれのサイドエフェクトがそう言ってる」


『ふーん…』


「(信用低い…)」



何度も言ってるが、今更である。


皆【みな】の預かり知らぬ所で、腐れ縁コンビは玉狛を後にした。



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