-孤独の戦士-
□code.10【三輪隊の強襲:後編】
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【夢主side.】
きょうこさんからのLINEで、予想はしていた
絶対に手を出してくると。
特にみわ隊の隊長 みわしゅうじは、城戸派で1番 近界民【ネイバー】を憎んでいる
じんから聞いたが、姉を目の前で殺されたらしい
トリオン器官を奪われることは、実質的な死を意味するからな
そんな奴に何を言っても聞く耳持たないかもしれない
…だが、私も 近界民【ネイバー】だ
同じ 近界民【ネイバー】のゆーまを、みすみす殺させはするものか。
「さて、近界民【ネイバー】はどいつだ?」
みわ隊の中で恨みをもっていないのはこめやだけ
ただ戦ってみたいとか考えてるんだろう
相変わらず読めない目だが、口角が上がっている時点で判りやすい
昨日生身で話はしたが、座っているからまだ気付いてないみたいだ
どちらにしろ、ポケットのトリガーを掴んだままにしておけば…───
「今 そのトリガーを使っていたのは、そっちの女だ」
「!?」
「…え?」
……そうくるか、この野郎…確かにタイミングが悪かった
コイツら最初から張ってたわけじゃないのか…?
…どうでもいいか
私のやることは、ひとつだ。
「初の人型 近界民【ネイバー】が女の子か〜、なんかやる気…え」
左手はポケットに手を突っ込んだまま立ち上がり、座るちかの前に出る
ちかをコイツらの視界に入れないよう、隠すように
「き…君は…!?」
やっと私だったことに気付いたのか、こめやにしては動揺してる
名前聞かれただけで覚えてないと思ったが、そうでもなかったか
横のみわも 少し表情が変わった気がする
『…ちかには、触れさせない』
「アユちゃん…」
コイツら…特にみわに誤解だと言っても無駄なのは分かってる
少しでもトリガーを使う素振りを見せたのなら、まず[グラシャ]で凍らせるか…
「…油断するなよ。どんな姿だろうと、近界民【ネイバー】は人類の敵だ」
「っ…」
みわは 万能手【オールラウンダー】こめやは 攻撃手【アタッカー】
この距離で攻撃してくるなら、やはりみわのハンドガンだろうな
なら[グラシャ]で凍らせても意味無いか…ここは一撃必殺の[ジェドゥーサ]で…───
「ま、待ってください! こいつらは…───
「ちがうちがう。おれだよ 近界民【ネイバー】は」
「「!!」」
「空閑…!?」
おさむの言葉を遮って、ゆーまはあっさり答えた
いくらちかが疑われてるからって、こんな簡単に名乗り出るとは…流石に予想外だ
「近界民【ネイバー】…!?」
『………』
ちかにとっても 私にとっても、助かったのは事実
…問題は、この男だ
「おまえが 近界民【ネイバー】だと…?」
「うん、そう」
「…間違いないだろうな?」
「まちがいないよ」
…穏便に終わりそうもない……嫌な予感がする。
*