-孤独の戦士-

□code.3【昔と今での繋がり:後編】
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『…気付けばこんな時間か。

 調味料が安売りだったからなー…仕方ないか』



空は、青から橙へ。


あのまま帰り道に、最寄りのスーパーへ寄った鮎。

別に井戸端会議とかをしていた訳では無いのだが、時刻は夕暮れ時をさしていて。


購入品の入ったビニール袋を片手に とぼとぼと歩く。



『うー…今日は色々と疲れた…さっさと帰ろう…』



しかしゆっくりしていれば 余計に遅くなるだけであって。

歩く速度を上げようと思った、その時。



[ウーーーーーー…!!!]


『…は』


〈門【ゲート】発生!門【ゲート】発生!

 警戒区域内に 門【ゲート】が発生します…

 近隣の皆様は ご注意ください…───〉



本部が家なので、自然と警戒区域を通って帰ることになる。

もちろん 担当の隊員が居なさそうな所を狙って、だ。


しかし運悪く、というかたまにある事だが またもや 近界民【ネイバー】と遭遇することに。



『チッ、しかもバムスターか…まぁでも文句も言ってられんな…』



ゴソゴソとポケットからトリガーを出し、いざ起動…の瞬間。



『…!』



ちょうど両足の間を 緑に輝く光の線が通る。

そのまま彼女の目の前にいるバムスターへ到達した途端…トリオン兵のみを 綺麗に真っ二つにした。



『(これは…〔風刃〕…?…まさか…───

‘おーおー、ナーイスタイミ〜ング! 流石 実力派エリートのお・れ♪’


『………』



見覚えというか、よく知っているトリガーだと思った刹那 聞き覚えのある自称と声。

源は背後からで、眉間に皺がよりながらも 振り返ると…



「久し振り、アユちゃん♪」


『…じん…』



空色の隊服は前開き。

茶髪に蒼のサングラス、それと同じ瞳。

緑のトリオン刃が特徴の 黒【ブラック】トリガー〔風刃〕を携えた男。


ボーダー玉狛支部 S級隊員 迅 悠一。


カリューネアにとって腐れ縁であり、逆に迅にとって 唯一未来が“視えにくい”人間である。



───こうして、学校への襲撃は 幕を閉じた。


次の幕開けは、自分を知る者との交流。



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