-零下を称す至毒の血-

□#Zwei Komma Funf【幕間のひと時】
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事件から数日。


ある日の朝、レオナルドはやっと覚えた“入り方”で ひとり事務所のドアをくぐった。

肩には 以来行動を共にするようになった音速猿 ソニックが。



「今日こそ見切ったぜ旦那あぁぁっ!!!」



ゴージャスかつオシャレな扉を開けてすぐに 挨拶する間もなく、走っている男。

広い室内を存分に使って助走を行い、跳躍。

獣の如く瞳を光らせ、無駄にクルクル回ってからの踵落とし。


だが、相手の頭上へ届く前に 腕でしっかりガードされる。

それから流れる動きで 逆「く」の字からの膝蹴りをお見舞した巨漢。


「ぐぅおっ!?」と蛙が潰れた様な声が聴こえた。



「お早う、レオナルド君」



丁寧に床へ下ろし、襟を正す赤い彼。


〔ブレングリード流血闘術〕

〔男〕

〔リーダー〕

〔メガネ〕

〔クラウス・V【フォン】・ラインヘルツ〕


大きな犬歯が覗く、見た目と違って温厚な人間である。



「この男は隙あらば私を斃そうとしてきてね。

 しかも心底殺すつもりで来るので、厄介なんだ」



白目を剥いて気絶していると思えば、意識を取り戻した銀褐色の青年。


〔斗流血法【ひきつぼしりゅうけっぽう】〕

〔男〕

〔馬鹿〕

〔バカ〕

〔ザップ・レンフロ〕


上記の通り、2回付く程の 馬鹿【バカ】人間である。


入室してから 驚きと引きで言葉を失っている少年。


〔【神々の義眼】保持者〕

〔男〕

〔一般人〕

〔新人〕

〔レオナルド・ウォッチ〕


眼球以外は普通の、まだまだ世界を知らない人間である。



「ちっくしょおぉぉぉっあがぅ…ぷぎぃっ!?」



寝転んだまま 駄々をこね始めたザップを、綺麗に踏んづけながら挨拶する彼女。


〔不可視の人狼〕

〔女〕

〔諜報機関“人狼局”所属〕

〔美女〕

〔チェイン・皇〕


ライブラの主要メンバー中では数少ない、異界【ビヨンド】出身者である。


部屋の全体を見渡せる位置で ニコニコしているスーツの老人。


〔ラインヘルツ家直属派遣〕

〔男〕

〔C・B/執事〕

〔優秀〕

〔ギルベルト・F【フランケ】・アルトシュタイン〕


顔に包帯グルグル巻きだが、恐らく人間である。



「……ぜんっぜん解らん」



やっとこさ零した言葉は、レオに刺激が強過ぎての感想であった。


ちょうどその時、彼が入ってきた真正面に位置するドアが開く。



『…ふぁ……ん、来たね…レオくん』



あくびをしてから少年を見る、長い赤毛の少女。


〔ブレングリード流血闘術・改〕

〔女〕

〔童顔〕

〔クールテンション〕

〔イヴィリタ・V【フォン】・ラインヘルツ〕


クラウスの実妹で、研究者の顔も持つ人間である。



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