-闇の血の戦乙女-

□1.【闇と悪】
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【再び ディオside.】



【通りすがりの旅人】アイツはあの時そう言っていた

…どおりで、見かけないわけか


女は…アルシュネムト…とかいったな

アイツは僕に『今度からは気をつけなさいね』とだけ言って消えた

路地に置いていたんだろう、珍しい形の黒い傘と鞄を持って


僕も正直疲れていたから、程なくして帰った


翌日になって、案の定噂が流れてくる

だがそれは、予想とは違うものだった


一言でいうと【血の無い切断遺体が発見されたらしい】という内容


…明らかにおかしい

伝える者の方も疑問があるといっている

“血が無い”だなんて、聞いた事がない!


それに、あの場にいた僕は確かに見た

自分の足元にも拡がっていく血液を


やはり、この目で見ないと信じられない

すぐさまその場所へ向かった


野次馬をかき分け、前へ躍り出た僕の視界には……


切断遺体はあっても“赤”は全くない

昨日の血の海が嘘のようだった


何故だ…?

考えられるのは、あの女しかいない


だがどうやって?


何の意味がある…?


僕には、この謎を解く事はできなかった



───…



そして、今に至る


僕は、ある貴族の屋敷へ向かう馬車へ乗っている

貴族の名は ジョースター家

嘘かホントか知らないが、親父が今の当主を助けたらしい


あれから数週間経ち、アイツは死んだ

僕に「1番の金持ちになれ」と言って残して

その証拠に、助けられたジョースター卿は 僕を養子にするといってきた


これで、僕の“計画”は動き始める



───1番の金持ちになれ───



…必ずなってやるさ、全てを利用してな


あの女にも…誰にも負けない男になる…!



───こうして、謎の女 アルシュネムトと ディオとの出会いは幕を閉じた。


次の幕開けは、彼女と少女の出会い。



*
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