-人に戻れた屍-

□#001【OCHIMUSHA 〜テルと御魂師〜】
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【夢主side.】



──────……



‘お…きせ…生’


‘…い…ちゃ…か’



…誰だろう、この声……聞いた事があるような、無いような…



‘ここ…す…火のう…に…る。早く…げ…方…いい’


‘…みは、…う……んだ’


‘わ……は…そ……もに……ん……ない。こ…戦い……じ…った時……さ…の事…か…がえ……な…よ’



…そうだ、これは…いつも見る夢だわ…

何処かの村が燃えてて、もじゃもじゃ髪の男の人と話をしてる


これは“彼女”の記憶だもの



‘…す…ない’


‘な…謝る…村のため…、貴方は…くやってくれた。


成り行きとはいえ 私と夏野を信じてくれて、ありがとう’



さっきより言ってる言葉がハッキリ聞こえてきた

見る度にクリアになっていく…これも思い出してるってことなんだろうな…


夏野って誰だろう…今回は初めて聞いたかも



「…こちらこそ、感謝してもしきれない。

 君達がいなければ、屍鬼達への突破口が開けていなかっただろう。


 …最期まで見届けてやれなくて、すまない」


『構わないが……そうだな。ならひとつ、頼まれてくれるか?』


「何だ?」



男の人は血まみれなのに、怪我はしてないみたい

つまり返り血ってことなんだろうけど…一体何があったのかしら

視界から見える範囲で、自分の服にも血が付いてるけど


…最期まで……いつもそう…“彼女”は…───



『もし、焼け跡にこの刀があれば…私の実家辺りにでも、埋めといてやってくれ』



──────……



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