-人に戻れた屍-

□#000 プロローグ
1ページ/1ページ




子供の頃から、私の傍には 1匹の狼がいる

サイズは掌くらいなんだけど

この子は、私の中にある もうひとつの【魂】が具現化したものだって おじいちゃんが教えてくれた

その【魂】が、私の前世なのだということも。


最初は理解出来ていなかったけど、特に抵抗もなく馴染んでいったと思う

多分それは、超能力者の親戚が 割と近くにいたから


もしあの時 この子の…ルフのことを話していれば、今は変わってたのかな

だってその親戚…テルは、中学生になってから 色んな噂が耳に入るようになった

スポーツ万能、成績優秀…そして、黒酢中の裏番

…裏番って裏番長? ヤンキー?…まぁヤンキーっぽいよね


だから何って話だけど、彼は多分 超能力を使いまくってる

正直私はそういうの、好きじゃない


でも彼は私の事なんて、なんとも思ってないんだろう

証拠に顔を合わせた時とか、挨拶だけ

食費の関係で晩御飯を一緒にしても、ほとんど話さないし 食べ終えたらすぐ帰っちゃう


…ただ、お姉さんは心配なのよね


力を持った者が地に落ちた時にどうなるか、私は“覚えてる”から。



*
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ