-人に戻れた屍-
□#000 プロローグ
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子供の頃から、私の傍には 1匹の狼がいる
サイズは掌くらいなんだけど
この子は、私の中にある もうひとつの【魂】が具現化したものだって おじいちゃんが教えてくれた
その【魂】が、私の前世なのだということも。
最初は理解出来ていなかったけど、特に抵抗もなく馴染んでいったと思う
多分それは、超能力者の親戚が 割と近くにいたから
もしあの時 この子の…ルフのことを話していれば、今は変わってたのかな
だってその親戚…テルは、中学生になってから 色んな噂が耳に入るようになった
スポーツ万能、成績優秀…そして、黒酢中の裏番
…裏番って裏番長? ヤンキー?…まぁヤンキーっぽいよね
だから何って話だけど、彼は多分 超能力を使いまくってる
正直私はそういうの、好きじゃない
でも彼は私の事なんて、なんとも思ってないんだろう
証拠に顔を合わせた時とか、挨拶だけ
食費の関係で晩御飯を一緒にしても、ほとんど話さないし 食べ終えたらすぐ帰っちゃう
…ただ、お姉さんは心配なのよね
力を持った者が地に落ちた時にどうなるか、私は“覚えてる”から。
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