-孤独の戦士-

□code.8【2人の近界民】
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暫く走った所で止まり 様子を見ていると、遠目からでも バンダーが倒れたのが確認出来た。


砂埃が舞う中から、青緑の隊服に身を包んだ青年が現れる。

初めての〔スラスター〕に目を回したのか、頭上で星が回っている三雲だった。



「うー…」


「おーやるじゃん、さすがB級隊員」


『(あの隊服のデザインって、確かじんが……アイツ、自分の色に寄せたな…)』


「あ…」



片や関心し、片や別の男に呆れ、片や何かを察する状況。


少しして 遊真達に気付いた修は、その中の1人を“見つけてしまう”



「千佳!!」


「…へ?」



ややお怒り状態で、幼馴染みの名を呼ぶ。

遊真に至っては 疑問の声。



「なんでお前が警戒区域に入ってるんだ! バカなことはやめろ!」


「ごめん、街の方にいたら危ないと思って…」


『おさむ 私にも責任があるから、ちかだけ責めるのはやめろ。

 てかお前、さっきちかに電話しただろ』


「鮎…いやしたけど…」


「なんだ、おまえら知り合いか?」



お叱りを受ける千佳の前に出て、彼女を庇うアユ。

ついでにお前にも非がある、と抗議し始める一言も。


しかし少年の声で、会話は止まった。



「…あぁ、今日は 千佳【こいつ】と会わせたくてお前達を呼んだんだ。

 鮎は付き添いで来てもらったけど…」


「…?」



仮峰の予想した通り、修の計らいで 3人は河原に集まっていたらしい。

先に言えといえばそうだが、結果的に鉢合わせしたので良しとする。



「…空閑、レプリカ…2人の知恵を貸してくれ。


 千佳は、近界民【ネイバー】を引き寄せる人間なんだ」


「ふむ…?」


『………』



ここに来て本題に入った。


少女の数奇な運命、そして第1歩に。



───こうして、初対面は 幕を閉じた。


次の幕開けは、近界民【ネイバー】絶対許さないぞ主義との接触。



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