極上彼氏の作り方

□最強オレ様王子出現
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あたし、光坂女神(さきさか まりあ)。16歳 処女(どうでも良いとかゆ〜なよ?)。

今日から晴れて高校1年生。

先日入学式も済ませ、今、感無量の思いで校門の前に立って居る。

私立秋華学園……。

中学の時から片想い中の清水侑隼君と離れたくなくて、死に物狂いで勉強して合格した。

親からは無謀だと言われ、友達からは「就職決まったら教えてね。」等と要らない励ましを貰った。

だって、侑隼君が此の学校を受けるって判ったのが2年の3学期だったんだから仕方がない。

確かに、あたしと侑隼君の脳ミソ量は1階と屋上位の差があっただろう。

しかし、其処は恋する乙女の何とやらで奇跡の合格を勝ち取った。



季節は春……。

今度の日曜日は桜が満開かな……。

学園の敷地内にも、沢山の桜の樹が植えられている。

綺麗だろうなぁ……。

さて、大きく深呼吸を1つして……。

いざ、出陣!!

赤煉瓦造りの校門を潜ろうとした正に其の瞬間、あたしの後頭部にウエスタン・ラリアットが炸裂した。

「……った〜い!!

誰よっ!!」

即行振り返って見れば、其所には少女漫画から飛び出して来た様な王子様が居た。

実際王子な訳はないだろうが、花と蝶をしょってても全く違和感はないと思われる程の完璧な美少年だった。

嫌味じゃない程度に染められた、サラサラで短目の茶髪に、これ又大き過ぎず小さ過ぎない漆黒の瞳は力強い輝きを放っている。

身長はそんなに高くはなさそうだけど、足の方が長いのは一目瞭然。

そんな王子様が、さもかったるそうにカバンを下ろして言った。

「おい、邪魔。」

って王子、ギャップあり過ぎだろ!!

でも、御陰であたしの思考回路はまともに働きだした。

恐らく、今下ろした其のカバンであたしを襲撃したであろう事も察しがついた。

「ちょっと!!

何してくれんのっ!?」

「校門の前に、何時迄もアホ面下げて突っ立ってる方が悪いんだろ?」

はい、そうきましたか。

「だからって、1人しか通れない訳じゃないでしょっ!?」

でも、暴力はいけないよね。

しかも女子に!!

勿論、あたしは喰ってかかる。

すると、王子面した悪魔は口角を上げて言った。

「お前、誰に向かって言ってんの?」

は?

まさかマジで王子様だとか言うつもりじゃないよね!?

「新入生の分際で、先輩に対する礼儀がなってないな。」

「先輩……?」

其処でハッと気付く。

濃紺のタイ……。

2年生だ……!!
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