SAKURA(平子長編)
□*名前で呼んで*
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「.....え?」
彼が笑ったような気がしたので、とっさに顔を上げる。
「....ほんま面白い奴やなァ〜!
そない俺怒ってるみたいやったか?」
彼の思いもよらない言葉に、首を傾げる。
「怒ってないの....?」
私はおそるおそる聞いた。
「当たり前やろ!あんなの日常茶飯事や!
....むしろまた会えて嬉しい位やで!」
そう言って笑う彼の顔はかっこよかった。
初めて会ったときと同じ顔だ。
「私も...また平子くんに会えて嬉しい」
入学してからなかなか会えないから、
もしや新入生じゃないのではと思っていた。
すると彼が口を開いた。
「....平子くんやなくて、下の名前で呼べや」