苦労ポケMの憂鬱

□二苦労
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よいこらしょ。

年寄りくさいとか言うの無しだよ。
疲れてる時には自然と出ちゃうんだから。

きのみを植え、水をやり縁側に腰を下ろす。
滝の近くだから水やり楽だ。
上を向くと当然空が見える。
いやぁ、憎たらしいくらい青いね!
さて、どうしようか。
島の探索はしてもしなくてもどうでもよさそうだし、海の向こうにでも行ってみようかな。
どんなところなのかも知りたいし。


「思い立ったら吉日、参りますか。」


ミュウは宙に浮かんだ。
どの方角に行こうかな。
風が吹き、葉っぱが東へ飛んでいく。
よーし、東に決定!


「さっさと済ませたいからなぁ。
"へんしん"しちゃおう。」


くるんっ

宙返りすると、ミュウの姿は一瞬で変わる。
水色の小さな身体は大きな翼を持つ鳥の身体に。
大きな黒っぽい鷹のような鳥。
どう、この前髪素敵でしょ?


「鳥ポケならやっぱムクホークだよ絶対!
おっしゃあレッツゴー!!」


翼を大きく羽ばたかせれば、ものすごい早さでその場を去った。
目指すは陸地、この先にあればいいな。













「お、見えた見えた。」


しばらく飛んでいくと陸地が目に入った。
よかった、方向間違ってなかった。
やーしかし、この浜には大きいのから小さいのまで多くの船が止まっているねぇ。
遠くにはでっかいお城もあるや。

誰かに見つからないよう、こっそり岩陰に降りて辺りを伺う。
浜では男の人が網を引いている。
多分漁師ってやつなんだろうな。
彼らの着ている服は"ジョウト地方"にある町の服装に似ていた。
確か着物って言ったかな。
郷に入っては郷に従え、僕も着物に着替えよう。

くるりと宙返りすれば、また姿が変わる。
今度は人間の姿だ、これなら怪しまれないでしょ?
きちんと着物も着ている、バッチリだ。

んー、もっと人が集まってる場所に行きたいな。
ちょうどいいや、あの漁師さんらに聞いてみよう。


「あのぅ、すみません。」

「おう、ここいらじゃ見かけねぇ顔だな!
兄ちゃん…で合ってるかい?」

「やーやー合ってますよ。
少しだけお聞きしたい事があるのですが、よろしいです?」

「構わねぇぞ!」


わあ、いい人。
人が集まっているところを聞くと、城下町ってところに人がたくさんいるらしい。
城下ってんだからあのでっかい城の下の町なんでしょ、それくらい解るさ!
お礼を言って向かおうとして止められた。
この人達も戻るところだからついでに連れて行ってくれるという。
親切だねありがとう!


「兄ちゃん何処から来たんだい?」

「遠いところ…ですかね。」

「へぇ、肌も白いし奥州あたりか?」

「はい!」


や、何処よ"オウシュウ"。
テキトーに返事しちゃったけど許してね。
世間話とかここの事とか聞いている内に城下町へたどり着いた。
おお、でっかい。
漁師さん達に改めてお礼を言って町へと繰り出す。
「楽しんでいけよ!」と別れ際に言ってくれた漁師さん達の優しさ無限大。

漁師さんの話では、ここは"シコク"って場所で魚が美味しいんだってさ。
流石海が近いだけある!
やーでも、どの店も活気があっていいねぇ。

鼻歌を歌いながら暫し探索を楽しみました。


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