苦労ポケMの憂鬱

□一苦労
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「ちくしょう、どうしてこんな厄介ものが集まるんだ。」


三馬鹿が散らかしたものを片しながら誰にも聞いてもらえない文句を言う。

遊びに来るのはいいんだ、だが暴れるな散らかすな壊すなの基本三原則をどうして守ってくれないんだ。
分かり易いよう紙に書いて壁に貼ったりした僕の努力を返してくれ。


「えっと、この後は…
うわぁ、ちびっ子三匹のお世話か。」


元気の塊がまた増えるのか、やだ泣けてきそう。
シェイミには保護者みたいなのがいないから面倒は見るけどさ。
カイオーガ、マナフィの世話くらい自分でしろや逃げんな。
三剣士、お前ら三匹もいるなら交代交代でケルディオ見りゃいいでしょうが。
わかるよ、この子らの相手するには体力がたくさんいることはわかってるよ。
だがな、まとめてその三匹を相手にしなきゃいけない僕はもっとキツいんだよ理解求ム。

仕方ない、おやつでも作ってやるか…。



「文句言いつつさ、結局のところキチンと世話するんだよなアイツ。」

「流石はポケモン界の母ですね。」

「だから俺ミュウ大好きなんだー。
ミュウ、俺も手伝うよー!」

「てめ、ギラティナ抜けがけすんな!」

「おやおや、いただけませんねぇ。」


氷から復活した三匹に飛びつかれたミュウはニコリと笑って三匹をぶっ飛ばした。












「うま!
ミュウの作る菓子はやっぱうめぇな!」

「私達の分まで申し訳ないですねぇ。」

「作らないとお前らが騒ぐからでしょうが。
ほら、ギラティナ口横ついてるよ。」

「んー、ありがとお母さん!」

「はっ倒すぞ。」


なんやかんやで世話してしまう自分を殴りたいが性格ゆえ仕方がないと諦めた。
ちびっ子が来るまでまだ時間はある。
今のうち体力回復のために少し眠っとこう。
菓子を頬張っている三匹から離れ、木もたれかかった時だった。


「ミュウよ。」


凛とした声に身を起こす。
目の前にいたポケモンに思わず目を見開いた。
菓子を食べていた三匹もこのポケモンの後ろで服従の姿勢をとっている。
僕も慌てて姿勢をとろうとしたが、よいと止められた。

神々しい光を放つ全ての始まりと言われるポケモン。


「アルセウス様。」


アルセウスが目の前にいたのだ。



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