苦労ポケMの憂鬱
□一苦労
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僕はミュウ。
そう、幻だとか伝説だとか言われてるそのミュウです。
しかも色違いっていうね。
これちょっとした自慢。
僕、結構いろんなことしてる。
研究所から逃げ出した僕の遺伝子から生まれたっていう馬鹿息子の暴走を止めたり、住処に連れて(拉致)きた子の友達らを助けたり、そこで住処の崩壊を止めるために波動をもらってパーンしたりと意外に多忙なんですよ。
ええ、それはもう多忙なんです。
他にもしなきゃいけないこともあるんです。
ただでさえ多忙 な の に 。
「てめぇパルキア!
俺のオボンの実食っただろ!!」
「…気のせいですよ。」
「手に持ってるそれはなんだぁぁぁあ!!」
「いやぁぁぁあ!!
ディアルガ君、俺の花壇踏まないでよぉぉぉおお!!」
な ん だ こ れ は 。
もうお馴染みとなった目の前の光景に頭が痛くなってきたよ僕。
いい歳した大人が、伝説がなに子供みたいな事しちゃってんの。
人間よ、コイツら崇めるの止めておいた方がいいよ。
この光景見せてあげようか?
幻滅すること間違いなしだよ!
「ああ母上、この下衆が私の事を虐めてくるのです。」
「てンめぇぇぇえ!!
オカン!
こいつが俺のオボンの実を!!」
「うわぁぁん!
お母さん、ディアルガ君が俺の花壇踏んだよぉぉぉお!!」
「うるせぇぇぇええ!!
誰が母上だ誰がオカンだ誰がお母さんだぁぁぁぁあ!!!
僕はお前らの親じゃないよ!!
何なの馬鹿なの死ぬの!?
むしろ死ね!!」
「「「生きる!!」」」
「じゃあ黙りなよこの馬鹿トリオ!!」
腹が立ったので"サイコキネシス"で壁に叩きつけてやった。
お前ら遊んでないで仕事しろよ!!
「空間は特に異状なしですし。
というより、ある方が稀です。」
「時間も同じく。」
「反転世界もないよ。」
「なくても見回りとかしなよ!
そこにいなよ!
お前ら神でしょ!?」
「「「だって暇。」」」
「馬鹿野郎。」
「だってー、ここならお母さんと一緒にいれるもん。」
「そうそう、オカンいるからな。」
「ええ、母上がいらっしゃるので。」
「もう黙れよ。
お前ら実は仲良しだろ。」
全力で首振っても説得力の欠片もないよ。
つーか、マジで持ち場に帰れ帰ってください切実に。
何が悲しくて歳上に母呼ばわりされなきゃいけないのか。
また喧嘩を始めやがったので、とりあえず"ふぶき"で氷漬けにしてやった僕は悪くない。
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