*短編*

□君のいない世界
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Haruna side


いつもどおりの朝…

起きて顔を洗って歯磨いて…



もう使わないもう一本の歯ブラシ…



台所に行きコップにお茶を入れ
ご飯が並んでないテーブルの前に座り…



静かな部屋で朝を過ごす…



そう何も変わらない朝なのに…
陽菜の日常だけが変わった…


陽菜の大好きな人…


優ちゃんが居なくなった…

今でも優ちゃんが亡くなった事を
陽菜は信じれなくて…

優ちゃんが使ってた歯ブラシも
バスタオルもコップもお箸も
洋服も靴もぜんぶあの日と変わらず
置いてある


いつでも優ちゃんが帰ってこれるように…


たかみなからは

『そんなの捨てろよ』

なんて言われたけどそんな簡単じゃない…



優ちゃん…
陽菜まだちゃんと返事してないよ?


『陽菜、結婚しよ?』


そんなの無理だって思ってた…

優ちゃんが病室のベッドで静かに眠ってるとき
法律が変わって同性でも結婚が認められた


「優ちゃん…
陽菜は優ちゃんとしか結婚しないから…」



だけどその言葉も想いも
もう届かなかった…


取り残された陽菜は何度も死のうとしたけど
たかみなにいつも止められた


優ちゃん…
陽菜もう少し頑張るから…

もし頑張らないでいいってなったら
迎に来てね…?
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