st.dream...

□馬鹿、また頑張りすぎてる
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恋人ヒロイン/同棲設定








あぁもう何っなんだ!僕がどれだけ世話を焼いてやってると思ってるんだ!捜査は進めてくれて構わないけど好き勝手やられるばっかりじゃ僕が迷惑被るんだから!本っ当に何考えてるんだ!!

がん!とグラスを机に少々乱暴においた彼は、もうお酒が回っているようでほんのり頬が赤みを帯びている。そんな顔は可愛いけど、うがあと仕事仲間に怒る姿もなんかやっぱり可愛くて、そこまで言ってる癖に「やっぱり僕が頼りないからかなぁ……」なんて怒り上戸から一転肩を落としてため息をつくところも可愛い。
彼、百合根友久は神様が誤って可愛さだけたんまり入れてしまったんじゃないかと思うくらい可愛い。


「今日も一段とお疲れだね、友くん」

「なまえ〜!」

「よしよし。お疲れ様」

「あ!今の可愛い。癒された」

「ふふ、それは良かった」


私にくっついてきて、そんな風に嬉しそうにるんるんしてる友くんも可愛いよ。なんて心の中で呟きながら、隣で私の髪の毛をいじる彼におつまみを食べさせてあげる。
本当は私が一口たべようと思ってたのに、彼が可愛く「あーん」なんて待っているものだからついついその口に運んでしまった。
なんだかんだ、彼を甘やかしてしまうのは私の悪い癖かもしれない。でも可愛い彼を甘やかさないでいられる方が不思議だ。




「やっぱり、疲れた顔してるよ?たまには休みもらったら?」

「そう簡単には休めないよ」

「そうだろうけど……」


大丈夫だよ、と笑いながら私の頭を撫でる彼の瞳には、心配そうに彼を覗き込む私の姿が映る。
でも、やっぱり、彼の身体は疲れているようだし。休みを取ってゆっくりと一日だらだら寝て疲れを癒して欲しいとも思う。
こうして、彼の心配ばかりしてしまうのは甘やかしているからではなく、きっと彼のことが大好きだからだろう。



「大丈夫だから」

「……本当に?」

「うん。無理なんてしてないよ」

「……本当の本当に?」

「ホント」


あぁ、そうだ。
彼は幸せそうに笑って私の頬を撫でてそう楽しそうな声色で。


「次の休みにはなまえが一日かけて癒してよ」


甘い甘い言葉に心がどんどんぽかぽかになっていくのを感じて彼にぎゅっと抱きついた。
お安い御用だよ、と笑って見せるけど、心の中では深く深くため息を吐き出した。








馬鹿、また頑張りすぎてる
(きみは嬉しそうにごめんね、と言う)




友くんがそう言うのは、いつもくたくたに疲れてるときなんだよ。
最後に次の休みをそう約束させて、最後までやりきる気合を入れてるんでしょ?
よくわかってるけど、私は彼の体を心配しながら次の休みに、またうんと甘やかしてあげる以外にできることなんてないんだ。

でも、それがとっても幸せなの。




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