■転生したらNARUTOの世界だった

□白粉花
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部屋の中はまあ、予想通りだった



物自体は少ないからごっちゃごちゃとまでは行かないが、床はゴミやらなんやらが散らばっていて汚い


ちょっとこれ、靴下であがるの嫌なんですけど。

いや、靴はちゃんと脱ぐけどね?




この部屋を見るかぎりまあ良いもんは食ってないね

カップラーメンの器はごろごろなのにキッチンはすっごく片付いている



まあ8歳のガキが一人で料理してるとは元から思ってなかったけど




「人ン家ジロジロ見んじゃねーってばよ」



俺から距離をとって座っているナルトはぶすくれた顔をしている




「あぁ、悪いな。
改めて、お前の世話役になった小笹琥太郎だ。琥太郎でも琥太郎兄でもまあ好きなように読んでくれ」


「……」


「はい、次はそっちの番」



「……なんだってばよ」



「俺が自己紹介したんだから、次はお前だろ」



「…どーせ知ってんだろ」



「お前の口から聞きたい」



黙ったままのナルトをじーっと見つめる

ちら、と時折伺うように青い目が俺を見て、そらされる



「……うずまき、ナルト」



「ん、よろしく。ナルト」



「……」



再び黙って膝を抱えたナルトに思わずため息



子供ってこんなに扱いずらかったっけ?


まあでも今までされてきた仕打ちを考えれば仕方ないのかもしれない



こうならざるを得ない環境に一人で耐えてきたんだ




今日からは俺がナルトの父親だ!



さてと、じゃあ主夫はとりあえず掃除でもすっかな




「ナルト、ゴミ袋は?あと掃除機」


「………」



へんじがない、ただのしかばねのようだ



ナルトは蛹状態で完全にマイワールドに閉じこもっちゃってるからそっとしておこう


こういうときは無理にごりごりいっちゃだめだと思うんだよね



とりあえず部屋を勝手にいろいろと漁ってみたが、掃除機はない
(まさか、今までコロコロだけで生活してきたのか…?)


ゴミ袋は何枚か見つけたものの、確実に今日中になくなる気しかしない。




夕飯の買い出しついでに買ってくるか





「ナルト、買い物行ってくるけど、なんかいるものある?」



その言葉に顔をあげたナルトが口を開きかけて言葉を飲み込んだ


ぎゅっと結んだ口をそのままに再び顔を膝に埋める






「もう、そのまま帰れってば」



「はいはーい。行ってきまーす」







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