■転生したらNARUTOの世界だった

□ヒヤシンス
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今日は久々に暗部の任務


とは言っても大した任務じゃない

それなのに俺がわざわざ呼びつけられたのは…







「浅緋さま、次はどちらへ?」


「…いえ、モミジさま、もうお時間ですので…」



しっかりと絡められた腕をやんわりと解いて琥太郎はどうにか笑みを浮かべる


隣の国の大名の娘であるこの女性、モミジは何故か俺に執心らしく木ノ葉を訪れるたび案内役に俺を指名する




指名制度なんなんマジで
つーかもう俺暗部じゃないんですけど…



里の中を真昼間から歩くのにあのかたっくるしい面なんか付けているわけにもいかず、俺は少しだけ顔や髪色、そして瞳の色を変えている



年齢も少し高く見えるかな?
普段は黒なんだけど、今は茶髪にしてるから。
あと目とかちょっとつったらもう全然印象違うよなあ






元々木ノ葉で大きい方の俺を知ってるのなんて火影様とカカシさんとアスマさん、あとウチの子くらいだしそこまで警戒する必要もないんだけど


暗部に顔バレはご法度ってことで一応な







「もう少し回りましょう?でも、少し疲れてしまったから、どこかで休憩したいのだけれど…」



「少し休むのは構いませんが…大名様がお待ちでしょう?これ以上は女性を連れまわせませんよ」



「ふふっ…大丈夫ですよ、父様には泊まるともとより伝えてありますので」



なんだよその根回し!!お前らグルか!!
いやでも多分火影様は知らなかったんだな…


うわーめんどくさいよこの人…

前からちょっと強引だなあとは思ってたけどココまで行動力ある人だと思わんかった






四度目くらいの木ノ葉訪問のためほぼ道をマスターしてるのか(箱入りのクセに頭はいいらしい)モミジはすいすいと道を進む



ん?おいちょっと待てそっちホテル街じゃねえか





「モミジさま?こちらには観光できるものはあまりないと思われるのですが」



「…浅緋さまったら、ここまで来て素知らぬふりを続けるおつもりですか?」



「…なんのことでしょう」



「私が、あなたに好意を寄せていることなどとっくに気づいているでしょう?」



酷い人、と俺の胸にしなだれかかってこようとするのを避ける


俺知らない人とそんな触るとか無理だから。
パーソナルスペースは守っていこう。ネ





「生憎ですが、お応えすることはできません」




「…どうして?私はこれでも大名の娘よ?」



「私のような卑しい身分の忍びなど、モミジ様には相応しくありません」




「私が、あなたを欲しているのです。…それとも、他に心に決めたお相手がいらっしゃるのですか?」




段々と険しくなるモミジの表情に琥太郎は内心ため息をつきたくなった


心底どうでもいいしもう一刻も早くこの不毛な会話を終わらせたくて仕方ない






元々女があまり好きではない琥太郎

それは束縛の強さが異常であったり、うっとうしいと感じる女にばかり会ってきたからだ



このモミジとかいう女も例に漏れず、なんというかヤンデレ気質とまではいかないまでもかなりめんどくさそうである



ヤるだけならヤったっていいんだけど…

琥太郎はそれも考えないでもなかったが、モミジと関係を持ったとなれば確実に琥太郎は婿として隣国に迎えられることになるだろう



堪ったもんじゃない



大名の娘なんかに手を出していいことなんかあるわけがない



特に決まった相手がいるわけではない琥太郎も成人男性である

女や男に手を出すことだって少なくはないがそれにしたってモミジはない



結婚なんてするつもりもない琥太郎は一瞬モミジに捕まった後の自分の将来を予想してしまって吐き気を催した






「決まった相手は…」




「…あれ?琥太郎?」




「…あ、カカシさん…」




「え、あ…浅緋様、お知り合いですか…?」




「はい。これから彼と一緒に任務がありまして。」




それでは失礼しますとさわやかな微笑みを残して琥太郎はその場を後にする


ついでにカカシの手を引いて




大名の娘を置き去りにしたことはあまりよろしくないが、おそらく火影様ならば理由を悟ってくれるだろう



モミジにしたって男誘って逃げられたとまでは言わないだろう

逆に変に色々脚色加えて父親に言いつけるかもしんないけど別にそれで木ノ葉に大きな損失ができるわけでもなし





もっと早くこうすればよかったかと琥太郎は少し後悔した













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