■転生したらNARUTOの世界だった

□ラベンダー
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全力ダッシュでステーキ肉をゲットした俺はルンルンで帰宅した


金に余裕があるくせになぜタイムセール、と思うかもしれないが、元庶民としては削れるところは削りたいのである

今後なにがあるかわからないし、ドカンと使いたいときに使えるようにしておきたいのだ


備えあれば患いなし、まさにそれだ





がちゃっとドアをあけて、並べて靴を脱ぐ


ぱたぱたと軽い足音を立てて駆け寄ってくるナルトが笑顔でお出迎え




「おかえりっ、琥太郎にーちゃん!」



「ただいま、ナルト。お迎えありがとな」



走り寄ってきたナルトをその勢いのまま抱き留めて頭を撫でる


気分はわんこを宥めるブリーダーってとこか



俺の家に越してきてからナルトが玄関まで迎えに来てくれるようになった




「遅くなってごめんな。すぐ飯作るから」


「んーん!俺も手伝うってばよ!」


「ありがと」


んーうちの子はいい子だなあとしみじみ








「にーちゃん!」


「ん?なした」


「これ、よくわかんねーってば」


俺が暗部関係の書類を整理している間、ナルトはアカデミーで出された課題を消化したり、俺の膝の上でぼんやりしたりそのまま抱き着いて昼寝をしたりしている


今まで誰にも甘えることのできなかった反動のようにナルトは俺にくっつきたがる


俺としてもかわいいナルトの望むことは叶えてあげたいし、まあいずれ治まるだろうと放置している



寝るときだって俺のベッドにもぐりこんでくるけど、大きくなったらこんなこともなくなるのかなあと思うと少し寂しいような気もする



気が付けば時計は十時を過ぎたあたりを指していて、机に向かっているナルトがこっくりこっくりと船を漕いでいる


机に頭をぶつける前にと素早く抱き上げて寝室へ



俺に抱き着いて無意識なのか肩口にすり寄るナルトが可愛すぎてつらい

親離れするとき俺泣いてしまうんじゃないだろうか…



ナルトは俺と生活し始めてから徐々に体重も増えてきて、ようやく子供らしい体つきになった


前は抱き上げれば硬い骨の感触ばかりだったのが、今はまともになってきている


デブらせるつもりもないから適度にこれからも食事を与えようと思います。
作文です。





ベッドに下ろして布団をかける

ほんの少し意識が上昇したらしいナルトがとろんとした目をこちらに向ける


なーに?


「にーちゃ…寝ない、の?」



「ん、もう少しやることあるんだ」



おやすみ、と頭を撫でればナルトは瞳を閉じて、すぐに寝息を立て始めた




シャワーを浴びて再び暗部の装束を身にまとう


今夜は久々の任務だった




虎の面をつけて家を後にする






今日の任務は隣の里の大名の娘の命を狙っているらしい組織の暗殺と、証拠を集めること



そうそうにアジトを見つけ、まずは逃げられないようにと結界を張る。

この組織が黒だろうが白だろが、全員殺すように指示されていた



まあ俺にはどちらだろうが関係ないし、大事なのは任務を遂行することだ



現代の日本じゃ考えられないことだが、なんの違和感もなくこの現実を受け入れている辺り、俺もそうとうこの世界に馴染んだなと思う



どうでもいいことを考えている間も体は動いていたようで、気付けば周りは血の海だった


おう…必要な書類血まみれとかないよな…?




まだ生存者はここの他にいるようだが先に証拠となる物品を集める


…ん、こんくらいでいいだろう

この組織は黒だった


まあ無駄死にじゃなかったよよかったね。
どうせ死ぬんだから一緒だけど



幻術も、忍術すら使わずに殲滅を終える


血に濡れたクナイを振って血を払う
んー、手ごたえなかったなあ…




それからもういくつかの任務をこなしてから暗部の本部に戻る


暗部の本部ってなんかちょっと面白いな




報告書を総隊長サンの机の上に放り投げておく


本部から出る頃には里を囲む壁の向こうから朝日が昇ってくるのが見えた




さてと、今日の朝ごはんは何にしようかな







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