■転生したらNARUTOの世界だった

□ラベンダー
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「この度、暗殺戦術特殊部隊副隊長に就任することになりました、浅緋(うすきひ)です。」


四方から放たれる殺気を肌で感じる


懐かしい。戦場のそれとはまた違うが、このピリリとした感覚は昔から嫌いではなかった


面の下で唇が弧を描く



見たとこ弱そうな奴しかいないけど、木ノ葉の里大丈夫か


弱いやつほど吠えるっていうけどホントそれだよなー



あ、真っ先に俺に殴りかかってきたのは暗部総隊長殿ですwww


万全じゃない俺にぶちのめされるってなんぞ



この組織本当に機能してますか?
まあだから俺がこれから叩き直すんだけどな







「皆、そういきり立つでない。不満もわからんことはないが、この者を推薦したのはわしじゃ。
その実力もわしが保障しよう」



ありがとう火影様

でもそれ完全に焼け石に水ですよ。




「総隊長の姿が見えないのはどうしてだ…?」



こそこそと誰かが囁いた声


あぁ、総隊長サンなら俺のベッドの上だぜ
嘘だけど


彼は今病院のベッドの上ですざまあwww




「あぁ、ギンジは先日の任務で負傷しての。今は療養中じゃ」



ざわざわっと皆が騒ぐ

あの隊長が!?とか言ってる



そっか、こいつらに比べれば総隊長もマシな方か




ちらりと俺を見る火影の視線はスルー

俺は気付いてません俺は気付いてません


だって突っかかってきたのあっちだし、死なない程度にやっていいって言ったの火影サマじゃないですか


ほとんど攻撃することなくかわしたりいなしたりしてただけだよ俺


まあ最後相手すんのめんどくてちょっと関節とか外してそのまま家帰ったけども




気に入らない相手をぼこりたいのはわかるけど、相手の実力を測れないなんてまだまだ甘いね


総隊長サンはどちらかっつうとわかってたのに怒りのあまり止まんねー!って感じだったけど

総隊長のくせに脳筋?ははっ笑えねー



自分より強い相手に無理やり突っ込んでくのは良策とは言えない

敵と戦った時はそうしなきゃいけないときもあるけど、相手が俺でただの仲間割れのときにそんなことしてもだめっしょ。

総隊長失格です






その後一ヶ月ほど俺の首を狙ってくるやるがいたけど、それはことごとく失敗に終わった



俺としても実践に近い感覚で殴り込みに来てくれたのはいい訓練になった

クソほども相手にはならんかったけど





二か月も経たない内に総隊長サンも戻ってきた


なんかどこぞのツンデレキャラみたいにツンツンツンツンしてて実に気持ち悪いことこの上ない



三十超えたオッサンがやってもかわいくないから。
できるなら早めに死んでくれ



真面目で仕事はできなくないんだけど、性格に難がありすぎるなあ総隊長サンは




てか、かかってきた奴全員すぐ復帰できるレベルの怪我に抑えてあげてる俺を誰かほめてください


時間外の労働だよー
ちゃんと給料ください火影様



こんな男むさいところに押し込められてしかもケンカふっかけられるとかありえなすぎる

俺の癒しはどこですか
もうナルト連れてきたいくらいお兄さんは疲れてますホントに




「もう帰るのかよ」



「はあ…やけに突っかかりますね。何か御用ですか」



「用だと?…仕事はまだたんまりあるんだ。自分のノルマが終わったからってさっさと帰るなんておかしいだろ」



ノルマってなんだノルマって

つーかお前、俺がもっさり持ってる書類に気が付かないのか?
これから俺これ持って帰って家でやるんですけど

時間外労働もいいところだよ。ここはとんだブラック企業でした母さん




俺この人の脳筋っぽいってか、運動部のノリみたいなとこが無理なんだよねー

修造と仲良くなれそうだよあんた
まさか晴れ男だったりする?



「…根を詰めても効率が下がるだけでしょう。あなたも休憩くらいとってはいかがですか」




「ッお前のそのすかした面が気に食わないんだ!!他の奴が頑張ってるのにさっさと帰ろうとするなと言ってる!
暗部に定時はないぞ!!」


はいー出ましたー
完全にブラック企業ですはい。
あれですね、終電が定時ですねなるほど。木ノ葉に電車ないけど

家にまで持ち込んで頑張ってる俺の成果は認められないわけですかはいそうですな


仕方ないだろ!
この時間じゃないとタイムセールに間に合わないんだよ!



「…うちでお腹すかせた子供が待ってるので、お先に失礼します」




この人とまともに話をしていてはいつまでも終わりが見えないので適当に切り上げる


ぽかんと空いた口をあけて突っ立っている様は中々に滑稽だった




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