■転生したらNARUTOの世界だった

□フリージア
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チチチ…



鳥の鳴き声で意識が徐々に覚醒していく


もぞり、と腕の中のものが動く





「…ん?」





あぁ、ビックリした…


そういや昨日一緒に寝たのか
通りで昨日やたら暑かったんだな




そう考えている内に腕の中のナルトが目を覚ましたようだ


寝起きのとろりとした青い瞳がゆっくりと開いて俺を捉える



「…琥太郎ぉ?」



「うん。おはようナルト」


「おはよ…」



昨日泣きすぎたせいで頭痛がするのか少し眉間に皺が寄っている



「顔洗っておいで」


泣き落ちしたから顔ががべがべですねナルトくん


促されるままに洗面台に消えたナルトの背中を見送ってから朝食を作りにかかる



昨日ばたばたしすぎて夕飯も食べずに寝たためか、今にも腹の虫が鳴きそうなほど空腹を感じていた



んー…昨日炊いた米余ってるし、チャーハンだな



適当に卵やベーコン、ネギなどを入れて炒める



タオルで顔を拭きつつナルトが近寄ってきた


なんぞ?




「朝ごはんなんだってば?」



「チャーハン」



そっか、と言ったナルトはそのまま俺の隣から動こうとしない

なんだ?


あんまりうろうろされると火使ってるし危ないな…


しかも低身長なナルトくんの頭はちょうど俺の肘の高さに頭があるんだよねー




「ナールト、肘鉄しちゃいそうだからちょっと離れて」



「…ん、」



「もう出来るから、スプーンとコップ出してくれる?」


「っ、うん!」



嬉しそうに笑ったナルトの頭をぐしゃぐしゃと撫でてから再びフライパンを振る



うん、やっと警戒心解いてくれたかな


こっちがナルトの素なんだろう





皿によそったチャーハンをテーブルに置くと、すぐにナルトが俺の正面に座る



一昨日までは呼んでも呼んでもなかなか来なかったのに




そんなことを考えているよナルトの腹がぐぅ、と鳴って、二人で笑う




食べ始めたチャーハンはいつも通りなはずなのに、なぜだかぐっとおいしく感じた







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