■転生したらNARUTOの世界だった

□東菊
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昔話や世間話をしている間に目的地についた


こんな里の外れにまで足を運ばせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいになる



「ホントに助かった。今度飲みでも奢るね」


「バーカ気にすんな。んじゃまたゆっくり話そうぜ」


「ん、今日はありがとな!」











よいしょ、と重い荷物を持ってドアに手をかける


ガチッ



うん、案の定鍵かけられとるわ

だろうと思ったよ



何度かドアを叩いてみても返事はなし。もちろんドアはうんともすんとも言わない


仕方ねえなあ




忍者がこんなちゃっちいドア開けられないわけないじゃん


鍵穴をかちゃかちゃといじっていると、カチャンと軽快な音


今度からはトラップでも仕掛けてこなきゃダメだぞーナルト




「たっだいまー」



重い。とりあえず空いたスペースに荷物を老いてふう、と息をつく



どうやら今ナルトはお昼寝中らしい



そっか、今日日曜だし、アカデミーもないのか




起こさないようになるべく物音を立てずにナルトの体に布団をかけ直してやる



さーってと、始めるかな!大掃除!



買ってきたゴミ袋に分別しつつゴミをばんばん捨てていく

捨てていいか俺には判断できないものは保留。ナルトが起きてから確認しよう

いるものならなんか反応するだろうし



脱ぎ捨ててあるのか綺麗なのかわからない洋服もとりあえず洗濯機に突っ込んで起動!




よーし床は大体綺麗だな


ナルトが寝てることだし、掃除機は後にするかな





少ししか出ていない食器を洗って、次いでにシンクや台所一体も古いスポンジで洗う


うおっ黒い!なんだこれカビ!?汚れ!?

新しいスポンジ買ってきておいてよかったわー




そうこうしている間に洗濯終了のピーという音が聞こえる



んん、洗濯ものの匂いっていいよねー

家ごとにこう…お家の香りっていうか



クラスとかにも時折あ、こいつ同じ洗剤だって思うやついるよね





ぱんっと少し洗濯ものの皺を伸ばしつつ干す

あーなんか肩凝るわ
久々にこんな一気に動いたもんなあ



洗濯ものを干し終え、疲れを感じた瞬間になんだかどっと体が重くなる




完全に体力不足だ…

ちょ、一旦休憩




重力に負けるように床に座って、ナルトが寝息を立てているベッドに背中を預ける


本当に急いで体を元に戻さなくては


こんな体じゃナルトはおろか、自分の身すら守れない





でも、体の完全回復は暗部生活に戻るということで………



また、あの世界に戻るのかと思うとより体が重くなるようだ




今更まっとうな生活ができるだなんて思っちゃいないけど







人の命を奪うのはいつだって気持ちのいいものじゃない


自分を見失いそうになる


罪悪感なのか優越感なのか、恐怖なのか


全てが入り混じって自分がわからなくなる




真っ赤な血を浴びる度に自分が薄くなって、戻れなくなるんじゃないかと不安になる








はあ、とため息をついてからすうすうと穏やかな寝息を立てるナルトを見つめる



目にかかっている髪をよけてやればむずがって体制を変えた


クシナさんによく似た目元に先生と同じふわふわの金の髪




俺は、大丈夫…

この子がいる限り俺は…絶対に、死んでなんかやらない




この子が、愛しいから








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