緋ノ眼
□出会いと始まり
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「……ねぇねぇ、阿伏兎ー。俺以上に強い奴いないのかなぁー?」
と、仕事もせずふとそんなことを阿伏兎に聞く、春雨第七師団団長、神威。
「んなこと俺が知ってる訳ないだろう、このすっとこどっこい。そんなこと考えてる時間があったら、目の前にある仕事やってくれぃ」
「えー。面倒くさい。阿伏兎がやれよ、お前副団長だろ?」
「お前さんは、団長だろうがぁぁぁぁぁああああああ!!」
と、神威に叫ぶ阿伏兎。五月蝿いなー、殺しちゃーー「ごめんなさい」
ま、許そっか。こんなところで死なれちゃ困るし…ね。
「じゃ、もう一回聞くけどさ、阿伏兎。俺以上に強い奴っていないかな?」
「さぁな。世の中には色んな奴がいるからな」
「俺達と同じ夜兎で強い奴は?」
「それだとなー。やっぱ、"アレ"じゃないか?」
…………………え、"アレ"ってなんだよ…。
「………ねぇ、阿伏兎。"アレ"ってなーー「失礼します!!」」
チッ、邪魔が入った。ノックぐらいしろよ…。
「元老様がお呼びになられております、しきゅーー((ガシッ
と、神威が団員の頬を親指と人差し指で挟む。…物凄い力で。
「分かった。でも、ノックぐらいしろヨ。殺しちゃうぞ?(ニコッ)」
「ふぁっ、ふぁあいぃ!!ふぅみまへぇぇええん!!!(はっ、はいぃぃ!!すみませぇぇぇええん!!!)」
団員が泣き顔を地面に擦りつけている。うわーと思う阿伏兎を皮切りに、神威は元老のもとへと歩いていったーー。