小説
□やきもち
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「やきもち」
「ケータくん、おはよう!」
「あ、おはよう///フミちゃん」
フミカはクラスメートの天野ケータに満面の笑みで挨拶する。
「今日漢字のテストなんだよね・・・オレ苦手だぁ〜・・・」
「大丈夫だよ!ケータ君!いつもがんばってるじゃない」
「フミちゃん////」
「きっと普通の点数とれるわ!」
「え・・・それ慰め?」
「アハハハハ」
「・・・あの少年は」
オロチは上空からそんな二人の様子を見つめていた。
フミカがあんなにも満面の笑みを浮かべている。彼女の笑みを見つめるのはうれしいけれど、でも・・・それは自分だけに向けてほしい。
オロチはそう心の中で思っていた。
学校―
教室の中でもケータとフミカは仲良くしゃべっている。それを窓の外から見ていたオロチは心がざわめく思いを覚えた。
「どうしたんですか?オロチさん」
ケータの妖怪執事である、ウィスパーがそう聞いた。
「そうニャン。さっきから顔が怖いニャン」
側にいたジバニャンもチョコボ―をかじりながらそう聞いた。
「いや・・・何でもない」
「またまたぁ、なんか悩みでもあるんでしょう?なんですか聞いてさしあげますよ」
「そうニャン、心にため込むのはよくないニャン!」
「・・・・・」
オロチはジバニャンとウィスパーの顔を交互に見つめて、そっと口を開いた。
「・・・フミ・・・いや、あの娘とあの少年は仲がいいのか?」
「え?」
「あの少年とは・・・ケータ君のことですか?」
「あ、ああ、そうだ。ケータというのか」
「ん〜どうでしょうね・・・フミちゃん的にはケータ君はただのクラスメートなんでしょうけど、ケータ君はフミちゃんのことが好きですからねぇ・・・」
「そうニャン、もうラブラブニャン!」
「そうか・・・・」
「なんでそんなことをお聞きになるんですか?」
「いや・・・・別に深い意味は―」
「あー!オロチもしかしてフミちゃんのことが好きニャンか!?」
「・・・・っ!」