小説
□いつでも一緒に・・・
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「いつでも一緒に・・・」
※フミカはオロチの姿が見えます。
「えーと・・・これは買ったでしょ・・・これも買って・・・」
買い物帰りのフミカは買い物かごを確認しながら独り言をブツブツ言っていた。
「フミカ」
「あ!あそこであれも買わなきゃ!!」
「・・・・」
オロチはなかなか自分がいることに気付いてくれないことを残念に思いながらも、フミカの後ろ姿をじっと見つめていた。
華奢な背中・・・・
思わず抱きしめたくなる。
そんな衝動をグッと堪えながらオロチはフミカの後ろ姿を追っていた。
「あれ?オロチ」
やっと気づいてくれた・・・。
「いつからいたの?」
「いや・・・さっきからずっと―」
「え!そうなの?気づかなくてごめんね」
「いや・・・・」
フミカはニッコリと笑いかける。
「―」
この笑みが大好きだ。
オロチはフッと小さく笑うと
「荷物持ってやる」
「え?いいよ」
「何言っている。重いだろう」
「・・・じゃあこれだけお願い」
「全部持ってやる」
「・・・・・」
フミカはおずおずと荷物をオロチに渡した。
「・・・私が怖いか?」
「え!そんな怖くなんかないよ!」
「そうか・・・よかった」