サクラビブリア

□黒の教団壊滅事件
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イリスは普段早々変わらない表情を変え、目を見開いた

それも仕方がない





ゴツイ、デカイ、シロイ





の3拍子揃ったロボットが、壁を突き破って現れたのだ





「え゙ぇえ゙!?」

『なっ…』

「何アレ?何アレ!?」

「くっそ。なんて足の速い奴だ…」

『絶対……絶対分解してやるぅぅぅ!』


握り拳を作って涙目でそう宣言するミリアムにイリスはハッとした
あのフォルムに覚えがある


『(まさかコムイの奴……)』


すると、無駄にゴッツイロボは音声を発した
思わずイリスは表情を微かに歪める



《発…見!
リナリー・リー
イリス・フレイア
アレン・ウォーカー
エクソシスト三名発見》


「!」

『(嫌な予感しかしないな…)』



『逃げてイリスちゃん!アレンくん!』



「こいつはエクソシストを狙ってる!!」





《手術ダ――!!》





ロボットのくせにしなる何本もの腕を振り回しながら
ロボは階段を駆け上がるアレンたちを追いかけてきた
アレンはリナリーを背負いながら、イリスはミリアムを担ぎながら
『イリスちゃん下ろして走れるよ!』『この方が安全でしょ』
訳を知っているであろうリーバーに問いかけた
アレンはくわっ、と歯を剥き出しにする表情付きで


「リーバーさん!ワケがわかりません!!」

『簡潔に、明確に答えてリーバー』

「ウム。あれはだな!コムイ室長が造った万能ロボ「コムリン」つって…



見ての通り暴走してる!



「何で!?」



『それには深いようで浅い理由があって…』

『いいから短く素早く』

「あれはほんの30分前
俺達が相変わらず給料にならない残業をしていた時だった」

























「終わらねェ…このまま一生終わらねェんじゃねェかな…」

「転職しようかな…」

「オレ、このまま眠れんなら一生目覚めなくていいやぁ」

「あきらめんなよ。多分終わるさ…」

『そう言いつつはんちょも死んでるじゃんんんん』

「泣くなミリー。泣きたいのはみんな同じだ」

『男なら泣くな!』

「ヒドッ」


疲れたテンションのせいで会話が酷い
各々疲れた様子で机に突っ伏し椅子に体を預けている徹夜続きの科学班の面々
そんな彼らにリナリーはお盆に湯気の立ち上るマグカップを載せ
優しげな笑みを浮かべて見回した


「コーヒー飲む人ー?」

「「「『は――いv』」」」




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