サクラビブリア

□黒の教団壊滅事件
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それは、嵐の日に起こった





「フフフ…ついに出来たぞ♪」



『うわぁ〜。すっごい!!おっきいぃぃ!!ごついー!!』



「なんで喜んでんだよミリー」



「室長ぉ。何スか、そのムダにごっついロボは」



「だからコムリンだってば」



「兄さん…コムリンって…」

























マテールの街の事件を解決した黒の教団所属のエクソシスト
アレン・ウォーカーとイリス・フレイアはやっと拠点である黒の教団本部に戻って来た

マテールの街で無事に回収したイノセンスの護送には十分な警戒が必要で、
本来なら同じく事件に携わっていたエクソシスト
神田ユウと共に別の事件に赴く筈だったイリスは、
初任務を終えて傷だらけのアレンのサポートとして教団に戻ってきた為、
やっと仕事が終わったと肩を落とした
しかしその表情は全くもって変わっていないのだが


「だいぶ遅くなっちゃいましたね〜〜〜〜〜」


そう欠伸混じりに言った白髪の少年、アレンに
事件に随行していた探索部隊(ファインダー)のトマは苦笑気味に言った


「この嵐で汽車が遅れましたから…」

『まったく……もう深夜を過ぎたな…』

「本当ですね…そういえば回収したイノセンスはどうしたらいいんですか?」

『ん?ああ、それなら』



ドサッ



アレンの問いに答えようとしたイリスは、言葉を切った
何かが落ちた音がしたからだ。それも目の前で
アレンも瞬きしてその方向に視線を向ける


「え!?」

『は?』


目の前には、階段から落ちたのか、仰向けに倒れ意識を失っているリナリー・リーがいた
アレンとイリスは数秒動きを止め、慌てて彼女に駆け寄った


「リ、リナリー!?」

『どうしたの!リナ!』


抱き起す彼女の反応はない。するとイリスはハッとして階上を仰いだ
そこに2人分の揺らめく人影





「も、戻ったかアレン…イリス…」





『よ、よかった……』





「!」


『……ミリー!』


「リーバーさん!?」


そこにいたのは壁に傷だらけの体を預ける白衣の青年と少女
化学班の班長、リーバー・ウェンハムと、班員、ミリアム・エーデルだ
ドサッと倒れ込むリーバーとミリアムをイリスとアレンが抱き留める
表情を変えず、しかし内心焦っていたイリスは静かな声音でミリアムを見下した


『どうしたの、何が……』

『に…逃げてイリスちゃん…』

「?」


か細いミリアムの言葉に首を傾げるアレン
その疑問に拍車をかける、凄みのあるリーバーの声がした






「コムリンが来る…」






「は?」







ドカン







「来たぁ」





『は!?』

「!?」




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