☆★☆本編☆★☆


□第一章
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うちらが入った今度の店は、さっきの店とはうってかわって和風の店。

近くに土産屋が数多くあるからか、一角には京都らしい小物が陳列されとるものの、主体は古道具屋のようや。

茉莉花は綺麗に陳列された小物をあれやこれやと眺める。

こういうんを見とると、やっぱり従姉妹と言えども性格までは似んなと度々思う。

そう思いながら暫く眺めとると、後ろからゆうに呼ばれて茉莉花と二人、側へ行った。

「どないしたん?」

「いや、これなんだけど」

そう言うたゆうは手に持っとったもんをこちらに手渡す。

「…似てると思わないか?」

ゆうの隣におった結城はんが問い掛ける。

ゆうから渡されたんは一枚の古い写真で、それには3人の若い男女が写っとったんやけど…

「…うん…」

「一体、誰なんやろ…」

かなり色褪せとるけど、写真の真ん中で微笑む女性がうちと茉莉花に似とるように見えた。





茉莉花とうちは昔から容姿だけは似とった。

同い年なんやけど、幼い頃からよう姉妹に間違われたわ。

うちらは姉妹同士の親にも似とらんと言われたし、隔世遺伝かなんかで偶然似たんやと、この時までは思っとった。





「これで撮ったのか…」

ゆうがすぐ側の棚に飾られとった木製の箱のようなもんを手に取る。

ようと見るとそれにはレンズやシャッターなんかが付いとって、相当昔に造られたカメラやと簡単に推測出来る。

「無闇に触らんときぃや。そんなん、もし壊しでもしたら弁償出来へんで」

「壊さねぇって、子供じゃあるまいし。…これ、まだ使えたりすん のか?」

ゆうが自撮りするかのようにそれを構え、シャッターに指を伸ばしたその刹那。

──パシャッ!

写真を撮る時の効果音と同時に、目の前がフラッシュで真っ白になった……
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