Sei sempre nei miei pensieri e.
□第1章 沢田綱吉がボンゴレ十代目を継がない理由
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――ったく……、
アルコバレーノが来てから家にいても全然休まらないじゃねーか… 。
俺に24時間ダメツナを演じろってーのか…。
でもまぁ、そう考えると学校の方が楽か。
所詮は一般人だからボロさえ出さなきゃ気付かれないし――
そんなことを考えながら、そう長くはない学校までの道のりを歩いていれば後方から 近付いてくる足音。
振り返らずとも誰のものか分かる。彼が自分に声をかけるまであと10秒。
「…十代目ー!おはようございます!!」
来た。俺の恋人であり、ボンゴレファミリー十代目の自称右腕。
俺はボスになる気なんざ更々ねーけど、言っても聞かないから諦めた。
本当は名前で呼んでほしいんだけどな、十代目は肩書きであって名前じゃねぇもん。
「あ、おはよう 獄寺君」
ダメツナらしい表情と口調でそう挨拶しつつ、口パクで会話をする。
それがダメツナを演じながら、獄寺と会話をする彼らの手段だった。
【おー、俺は十代目になんかならねぇぞ。高校卒業したら国外に逃亡するしな…】
「なっ…そんなのダメっすよ!!
十代目以上に、ボンゴレのボスに相応しい奴なんていないんすから!!」
相手の挨拶よりも口パクで言われた言葉を理解した獄寺は、何とか綱吉を説得させようと必死になるが、傍から見れば綱吉は獄寺に対して『おはよう』の挨拶しかしていないのだ。
全く噛み合ってない会話に通行人が振り返り、怪しげな視線を向けていた。