ツキウタ
□プロローグ
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『ここがツキノ寮……。』
彼女の名前は有栖川シア。
本日よりここ、ツキノ寮にお世話になることになった彼女は誰かを探すようにキョロキョロと周りを見渡した。
「きみが有栖川シアちゃん?」
背後から声が掛かったので振り返ると1人の男性がいた。
『そうだ。あなたは?』
「僕は月城奏。きみのご両親から聞いてないかい? 僕ときみは遠い親戚に当たるんだけど……。」
『ああ、確か母様がそんなことを言ってたような……。これから世話になるぞ、奏。』
「うん、こちらこそ。よろしくね、シアちゃん。」
そうして奏に案内されてツキノ寮の中へと足を進めた。