夢 D
□W
1ページ/1ページ
俺は気が重かった。 なんでよりによって俺まで
飲み会に誘われてしまったんだ。
「じゃあ、10時ごろ ススキノで!嬉野君もね!」
善意で誘ってくれたのだろうか…
しかし 今思えばあの上司の笑顔にも腹が立つ
遅れて行って とっとと帰ろう
10:48 こっそりと隠れるように合流する
どうか 落ち着いてさっさと帰りたい
そんな願いは儚く消えた
「いやいやいや!!! そこにいるのは
我らが 嬉野先生ではないですか!!!」
最悪だ… つかみどころのない…
というか デリカシーのない男につかまった…
うるさい というか 先生ってなんなんだ
この酔っ払いめ…
「先生!いやぁ!待ってましたよ!」
どっかり 俺の隣に座る
どうやら相当酔ってるらしい
俺は適当にあしらった が 彼は豪快に笑い話し続ける
こっちが聞いていようといまいと お構いなしに
「先生!!僕はねぇ より良い番組を作っていきたいんですよぉ!」
俺の隣で熱弁する
うんざりして彼の理想話を聞いていると 突然 真剣な顔をして
こちらを向いてきた
「嬉野さん、僕は誰も見たことのない物を作りたいんですよ
貴方と」
妙に真剣な声だった
これで二度目だ「どうして俺なのか」という疑問
でもこの投げかけは俺の心になぜか染み入った
「まぁ、次の番組の製作スタッフは上が決めるんすけどね」
仕方ないと 笑い飛ばす彼
その時俺の頭には
この男と組んでやってみたい
という考えが出た
のんな思いは自分でも信じられなかった
でも信頼に近いものは感じていたのかもしれない