夢 D

□W
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俺は気が重かった。 なんでよりによって俺まで
飲み会に誘われてしまったんだ。

「じゃあ、10時ごろ ススキノで!嬉野君もね!」

善意で誘ってくれたのだろうか…
しかし 今思えばあの上司の笑顔にも腹が立つ

遅れて行って とっとと帰ろう


10:48 こっそりと隠れるように合流する
どうか 落ち着いてさっさと帰りたい

そんな願いは儚く消えた

「いやいやいや!!! そこにいるのは
 我らが 嬉野先生ではないですか!!!」

最悪だ… つかみどころのない…
というか デリカシーのない男につかまった…

うるさい というか 先生ってなんなんだ
この酔っ払いめ…

「先生!いやぁ!待ってましたよ!」

どっかり 俺の隣に座る
どうやら相当酔ってるらしい

俺は適当にあしらった が 彼は豪快に笑い話し続ける
こっちが聞いていようといまいと お構いなしに

「先生!!僕はねぇ より良い番組を作っていきたいんですよぉ!」

俺の隣で熱弁する
うんざりして彼の理想話を聞いていると 突然 真剣な顔をして
こちらを向いてきた

「嬉野さん、僕は誰も見たことのない物を作りたいんですよ
 
                             貴方と」
妙に真剣な声だった
これで二度目だ「どうして俺なのか」という疑問

でもこの投げかけは俺の心になぜか染み入った


「まぁ、次の番組の製作スタッフは上が決めるんすけどね」

仕方ないと 笑い飛ばす彼


その時俺の頭には
この男と組んでやってみたい
という考えが出た

のんな思いは自分でも信じられなかった
でも信頼に近いものは感じていたのかもしれない

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