Fate/Zero -EXTRA-
□EXTRA 08
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白野が魔力を枯渇させているため、昼を回っても彼女は目覚める様子が無かった。
初めて全員が集合し、やることの無いファミリアたちは、暇を持て余していた。
そこに何を思ったかギルガメッシュまでやってきたため、教会には小カオスが形成された。
「こうして、白野をマスターに持つものが集まったんだ。今後のこととかを考えないかい?」
状況を見かねたソルジャーが、現場を仕切り始めた。
実のところ、この場で最も仕切ることができる英霊は、彼しかいない。
他の者がやればギルガメッシュが文句を言い、かといって彼が仕切ると進行しそうにないのだ。
「それは名案だ。彼女はキャスター討伐後のことを考えていない。ここで我々が決めておくべくことだろう」
「そうですねえ。ご主人様のお人好し具合は、困ったちゃんレベルですし」
「話し合うまでも無かろう。雑種のことだ。綺礼を止めつつ誰かを救う……それが答えだ」
「少し待つがよい、金ぴか。奏者は綺礼を止めてはおらんぞ?観察こそしておるが」
「それに関しては一理あるね。この前もセイバー陣営の女性2人が苦しんでいるのに、呼吸さえ殺していたし」
「それはそうであろう。普通の人間が、あの男に勝てると思うか?それに小娘。雑種は止めようとしているのだ。
ただその危険性から、積極的に行動しようとせず、あれの行き着く先を見極めんとしているだけのこと」
「……まあ、言峰綺礼は要注意ということだな」
「あの人の本性が見えた時、何があっても私たちはマスターをお守りしましょう。
ところで、マスターのお人好しのせいで、沢山フラグが建設されているんですけど!!」
「この前もアイリさんにフラグ建った気がするもんね」
「なんと!!あの女もか!どういうことだ!!」
「どうもこうもありませんよ!そりゃまあ、必要なことでしたけど!
ムーンセルとしては中立ですから当然ですけど!」
「ええい、煩いぞ狐!……だがあの性格。あれではいつか運命を変えるほどの何かをしでかしかねんぞ」
「待機を命じられた時、余が聞いたのだがな。どこも訳あり陣営らしいのよな」
「もしかしたら、どこかの誰かをホイホイ助けようとしそうだね。
ここの聖杯戦争に影響しないのならいいんだけど」
「キャスター討伐後に、彼女が無理をし始める可能性は高いな。警戒と同時に、注意をしておこう」
「うむ。……思うのだが、契約が切れたソルジャーが召喚されていて、竜の娘は呼ばれぬのか?」
「はあ!?あのトカゲ女をですか!?正気ですか、フェンサーさん!!」
「僕の場合は、一時でも令呪で繋がれていたから、呼び声に応えられたんじゃないかと思う」
「あの娘は、一時的ではあったが、どちらかと言うとファミリアだったしな。そしてムーンセルの敵でもあった。
あれが呼べないようにしているか、あるいは、あの牢獄から出られないのかのどちらかであろう」
「寧ろ召喚されなくて結構だ。これ以上は収拾がつかん!」
そうだそうだー。書いている私の身にもなれー(by管理人)
「む?今何か聞こえたような……」
「そうですか?私のこの耳にはさっぱり……」
「えっと、それで次なんだけど……。君たち、マスター……白野とどういう関係を求めてる?
僕は、白野が可愛くて仕方ないから、そこが気になるんだけど……」
「余は奏者とラブラブしたい!」
「……俺は彼女に自立/自律してほしいのだが」
「お母さんですか、アチャ男さん。私はご主人様の良妻になりとうございます、いえ、既になっているのですが」
「戯言はそこまでにしておけ。あれは我の愉悦だ。貴様らにくれてやる義理は無い」
お前ら自重しろよ!ルート作らなきゃじゃん(泣)(by管理人)
「……おのれ、小煩い虫がおるわ」
「私の目が黒いうちは、そんなものを許す掃除をしていると思うか、英雄王」
「まあ、この際何がおっても良い。それよりも、ムーンセルの奏者に対する対応だ。
あれが奏者を消したいと言うのは解る。しかしそれにしては、奏者の護りが堅いとは思わぬか?」
「確かに、僕まで呼べるというのは驚きだ。建前にしては、行き過ぎだと思うよ」
「何を考えておるかは知らんが、あれが雑種を手にかけようとしたところで、返り討ちにしてくれる」
「珍しく意見が合ったな、英雄王。まあ実際、彼女のような人間を失うのは惜しいことだ」
「あの方は得難い魂の持ち主です。何としても護り抜きましょう。
いざとなったら、私がムーンセルを掌握しますから」
結局、今日の聖堂教会はカオスだったそうだ。