FGO -バグ発生-

□一夫多妻と去勢拳
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「やあマスター」

『……ナチュラルな酷い人だ』

「うーん、もし一夫多妻についての発言を指しているなら、時代と価値観のせいだよね」

だから僕が悪いというわけじゃないと思うんだけど、と朗らかに言われる。むかっときたんだが。
……なぜ近づいてきているんだこの人。

「士野香は物怖じしないよね。僕はこれでも王様なんだけど」

『この子もそうだったでしょ』

「根本的な面ではやっぱり違うよ。
彼女は本当に分け隔てが無かったけど、君は少しずつ各人に合わせて対応に差がある。
尤も、経歴的な身分よりも、性別や年齢を重んじているようだけど」

ぐだ子とどう違うのか、その説明ではよく解らない。……なんで距離が縮まっているんだ。

「焦るってことは、やっぱり君も女の子なんだね」

『馬鹿にされている気がする』

「僕は君に嫌われている気がするよ」

『気のせいじゃないですか(絆マックスにしてたはずだし)』

「信用できないから、もう少しお近づきになりたいな」

ゆっくりと後退り。身の、いや、貞操の危険が迫っている気がするんですが。

『外見はまんまこの子なんだけど!』

「あの子よりも、君の方が好きだって話だよ。単刀直入に言うけど」

『あーあー信じない!女誑しでも一夫多妻の女誑しは信じちゃ駄目って本能が言ってる!!』

ついに背中が壁にぶつかった!!今まで出会ってきたピンチの中で、最もまずい状況だ!
絶対、ぜーったい!触れられた時点で大事なものを失ってしまう気がする。

「はいはーい、キャス狐ちゃん、みこっと参上!!秘技!一夫多妻、去勢拳!!」

ギリギリで受け身の姿勢を取ったダビデは軽傷で済んだ。
さっと間に入ったキャス狐が、自然と私を庇う形になる。

「前からいけ好かないと思っていたんですよね、このお方。一夫多妻に肯定的ですし」

「君の時代でも、そうだったはずじゃあなかったかい?」

「否定はしませんが、浮気を許すほど寛大にはなれません。
自分だけを見てほしいという願望は、女性が抱いて当然のこと。
それも解らないような男はこれ即ち!女の敵、士野香さんの敵!」

『やだキャス狐カッコいい』

「すみません士野香さん。私には、心に決めたご主人様がいるんですう」

「士野香は女の子好きだよねえ。そりゃあ僕に靡かないわけだ」

『誤解を招く言い方をしない。知ってるよ、キャス狐の伴侶。礼装呼べなくてごめんね』

「いいえ。頑張ってくださっていることは私、よく存じております。
士野香さんは士野香さんで、ちゃんと好きですから」

ひしいっとキャス狐に抱きつく。うむ、絶妙なプロポーションである。ご褒美ご褒美。

「士野香って、寧ろ僕寄りの人間?」

『一緒にするな。どうせイケメンにナンパされるなら、生活力の高いイケメンが良い』





【おまけ】
『女の子でも可である』
「士野香さんは現実的なんですね」
『モテることに気分を悪くしているわけではない。ダビデの内面はお断りだけど、外見的なものは好きだよ』
「あはは、素直だね。確かに僕の生活能力は低いからなあ。じゃあ諦めるしかないか」
『努力しないあたり、本気じゃないと』
「うん?君の同意を得る分には諦めるしかないよね?」
『キャ、キャス狐!』
「こいつ、危険です!!」
 

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