FGO -バグ発生-

□ケルト……
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『なんでケルトの英霊は上半身晒したがるの』

疑問ではない。どちらかというと非難のつもりで言っている。
画面をポチポチっとしている時から思っていたが、生身になるとそのショックはより大きい。
プロトの後ろに隠れながら問い質した。

「なんでって言われてもな。若い頃はひたすら鍛えていたから――」

『脱ぐだけが需要じゃない!』

「だったら早く第三再臨させれば良いだけの話だろうが」

「ふざけるなケルトランサー多すぎるんじゃあ……」

意訳、ランサーピースとモニュメントが枯渇しています。
申し訳ありません、と謝罪してくるディルムッドが1番の難敵だ。
奴の第一再臨の裸は、上半身に何も着用していない。

「なら士野香。なぜ俺の再臨が進まない?現状のケルト勢では、唯一のセイバーだぞ?」

『剣の炎や素材は全て騎士王に捧げた』

「だからバーサーカーが雄叫びを上げていたのですね」

『この調子でモーさん来てくれないかな〜』

「次は師匠をだな――」

気がついた時には既に遅し。周りを囲む裸男ども。

『だっ、誰か助けてえええええ!!』

「“―――約束された(エクス)、勝利の剣(カリバー)!!!―――”」

プロトがその敏捷を活かし、私を抱えて現場を離脱。その場は極光に包まれた。
カルデア内部は強固な結界で内外双方が守られている“らしい”。
外部はとにかく、内部はあの一件からの学習で、張り直したとマシュから聞いた。
おかげでエクスカリバっても部屋には変化がない。道具は無事では済まされていないが。

「ご無事ですか、士野香」

『助かったよセイバー!』

「加減はしましたし、私のレベルは彼らよりも低いので、大丈夫だとは思います」

「気にしなくても、ケルト勢はどうにも生存力が高い。ランサーは燃費が良いから特に、な」


――黒こげになっていたケルト勢は無事でした。
ですが機材を壊したことが宝具を使った振動で発覚し、Dr.ロマンにこっ酷く怒られました。
どこで知ったのか、日本式ツッコミアイテム・ハリセンで頭を叩かれて痛いです。

「士野香ちゃん、真面目に書こうね」

『なぜ読める、あいたあ!!』

「カルデア登録マスターの母国語はある程度勉強していたし、マスターが君だけになった以上、日本語だけはしっかり押さえたよ」

『ロ、ロマンの学習力恐るべし……』

「そりゃあ魔術師の医師をやってるくらいだからねえ。さあ、反省文を書くんだ」

『くそう、画面で見ていたロマンがこんな人間だったとは!全ッ然!優男じゃない!!』

「あの子の前では、ちゃんと優しいドクターだよ」


差別だ差別だと呪詛を吐きながら、士野香先輩は反省文を書きあげられました。
作文用紙の裏側には様々な推測が書かれていたそうで、ドクターが感心していました。――マシュの日記より
 

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