ホットロード

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『なおさんこんばんは』



NK「アリス〜ちょっとそこ拭いて」



『はーい』



なおさんのいつでもおいで、というお言葉に甘えてO.R.I.O.N.に入り浸るようになった。

たまにお手伝いしたり。



NK「今日はJSB来ないよ」



『JSB目当てでここに来てるんじゃないよ』



JSBには倉庫に行けば会えるし。



NK「じゃあ何で?」



『なおさんに会うためだよ』



NK「嬉しいこと言ってくれるねぇ」



なおさんと話してると純粋に楽しかったし、落ち着いた。

それに、なおさんは物知りだから、ロクに学校に通ってない私にいろんなことを教えてくれた。



『これは何?』



NK「酒だよ。そのへんにあるボトルはバンドのやつらのキープ」



『へぇ………あ、ここJSBのやつだ』



油性ペンでそれぞれ名前が書かれていた。

OMI、JIRO、 GUN、ELLY、RYU



『みんな省略する決まりなの?』



NK「ははっ笑 違うよ、これはバンドのときに使ってる名前。だから、ここに来てる人たちにトサカとかイマイチって言っても通じないよ」



『そうなんだ』



JSBについてはまだまだ知らないことだらけ。

なおさんやじろーに教えてもらうことが多かった。



NK「もうすぐ今日リハするバンド来るよ」



『上手?』



NK「うん。ここの看板はJSBかそいつらかってくらい」



『へぇ〜楽しみ』



毎日来ているといろんなバンドを見る機会があった。

でもJSBを超えるバンドなんかいなくて。

だから、今日来るというその人たちを楽しみにしていた。
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