ホットロード
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KJ「隆二に言われたこと気にすんなよ」
いつもより早く帰ってきたパパが言った。
無愛想で、強面で、何考えてんのかよくわかんなくて、おっちょこちょいだけど、誰よりも優しい人。
『パパに殴られたって、不貞腐れてたよ』
KJ「あいつ謝りに来たんだ 笑 そういうとこ律儀なんだよな」
『謝んないとクビって言ったんでしょ?』
KJ「健二郎バラしやがったな………」
『パパのおかげでスカッとしたよ。ありがとう』
KJ「ならよかったけど隆二に謝んねぇとな。あいつはうちの事情なんか何も知らねぇのに八つ当たりしたわ」
『私も謝っておくよ』
KJ「アリス、いい顔するようになったな」
『いい顔?』
KJ「うん。最近楽しいか?」
『………楽しい、かも』
KJ「そっか。健二郎たちに感謝しねぇとな」
『うん、』
もしもあの夜出会ってなかったら。
私の毎日は、きっと今もつまらないままだった。