ホットロード

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土曜日の夜。

19時半。

じろーに呼ばれた時間にO.R.I.O.N.の前に来た。



中からは他のバンドの音がする。



KNJ「あ、おったおった」



『じろー』



KNJ「ここはもう満員やからこっち」



正面からはもう入れないから裏口から入るとのこと。



KNJ「ここのオーナー、直己さんって言うんやけど、その人に頼んだらここで見せてもええって」



裏口はまっすぐ進むと楽屋で、入ってすぐの階段をのぼると2階席へつながっていた。



KNJ「直己さーん!」



何やら機械をいじっていた背の高い男の人。



NK「おう、その子?啓司さんの娘って」



KNJ「そうっすよ」



『………こんばんは、』



NK「こんばんは〜。俺はここのオーナーの小林直己。啓司さんにはお世話になってます」



『黒木アリスです』



今まで知らなかったけど、パパは顔が広いみたい。

厳つい人ばっかりだけど。



NK「今日はここで見てていいからね。JSB、案外人気で埋まっちゃうんだよ」



KNJ「案外って何すか 笑」



遊びでやっているのかと思いきや違ったみたい。

今演奏しているバンドを見ればわかるけど、じろーたちのバンドの方が何倍も上手だった。



NK「もうファンついてるし大変だな」



KNJ「俺のファンじゃないっすよ。他のメンバーのファンっす」



『………じゃあ私がじろーのファンになる』



KNJ「マジで?ありがとう 笑」



下を覗くと人がぎゅうぎゅうに詰まっていて、女の子もたくさん来ていた。



KNJ「でもな、きっとボーカル歌ってるとこ見たら俺のファンやめるで 笑」



『え?』



NK「まぁな〜あいつら上手いしな」



KNJ「直己さん、そこはフォローしてくださいよ!」



こんなに絶賛される歌声ってどんなものなんだろう。
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