book2

□アイドルへの
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入学式も無事に終わり、私と悟空は自分の教室へ向かっていた。

「やっぱ、入学説明会の時も思ったけどさぁ、ここって広いな!」

『そうだね、なんか、ここに通うって実感湧かないなぁ...
えっと、私達は...Sクラスだからここかな。』

ガラッと教室の戸を開ける。

中にいた生徒達がチラチラとこちらを見てからコソコソと話している。

私達はそれを気にせず前を通り過ぎて自分達の席に座った。

「ほら!やっぱ、そうじゃない?あれって最遊記に出てた...」
「うんうん、やっぱりそーだよね?!」

「なー、りあの。なんであいつらこっち見て話してんの?」

『私達が前、観世音の脚本したドラマに出てたからだよ。きっと。
あの方達にとっては私達は既にプロだろうから、きっと不思議に思ってるんだと思う。』

「ふーん、そういうもんなのか。」

「あーーーーーっ!!!!!」

突然、大きな声で誰かが叫んだ。
当然私達はそちらへ振り向くと1人の金髪の男子がこちらに指をさして口を開けたり閉めたりしていた。

「お前らって、あの最遊記にでてた玄奘 悟空とりあの!!」

『は、はい。そうですが...』

その金髪の男子は私達の方をじっと見て数秒してからにかっと笑い口を開いた。

「俺、あのドラマめちゃくちゃ好きだったぜ!戦闘シーンとかめちゃくちゃ迫力あったよな!」

『ありがとうございます』

「うれしーぜ!ありがと!」

「でも、お前らもうプロみてーなもんだろ?なんでここに?」

やっぱり聞かれたか...でも、そりゃあそうだろう。なんせここはプロを目指す作曲家やアイドルを育成する学園だし、ドラマに既に出た私達は通う必要はないのかもしれない。

でも...

『自分達の力で芸能界に入りたいから...かな。』

「?どーゆーことだ?」

「俺達は、ドラマに出させてもらったけどさ、それは自分の力で出れた感じがしなかったんだ。」

『贅沢に聞こえるかもしれないけど、でも、自分達の力でドラマとか出てみたいと思ったから、この学園に入学したんです。』

それを聞くとその男子はふーんと言い
少し考えたあと、

「んじゃあ、お前らもライバルっつーことだな!お互いに頑張ろーぜ!俺は来栖翔よろしく!」

と、手をさしだしてきた。握手、だろう。

「おう!ヨロシクな!」

『よろしくおねがいします、来栖くん。』

友達が、早速できました。
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