小説
□100億の男の母はお偉い様。
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気が付いたら東都に居た。
前世の記憶を思い出したのは2歳の頃。あっれれ〜?おかしいぞぉ〜??って首をかしげた。
きっかけは東都の米花町では至って普通のこと。強盗犯に人質にされたことがきっかけだった。おらぁ金だせぇ!!と言ってる強盗犯の声より大きく「ここってコナンの世界かよ!!!!!」と叫んだのはいい思い出だ。まぁ、私が叫んだおかげで犯人は捕まったのだが。
とりあえずその時決意したのは死なないためには警察官になろう!だった。
生き残るための第一歩として、キャリア組になったるー!きっとお賃金も良いはず!!!って言ってキャリア組になったのはいいけど、何故、警備局警備企画課に所属されたのかよく分からない。
よく分からないが、降谷零の母になっちゃいました。
何故、降谷零を引き取ったのか……え?彼の旧姓?安室でしたよ。えぇと、どこまで話しましたっけ?
…あぁ、そうだ。降谷零を引き取った経緯でしたね。
彼を引き取った理由は3点ある。
まず1点目。彼が黒づくめの組織と繋がりのある孤児院にいたから。
2点目。私の恋愛対象が女性だから。
3点目。子供が欲しかったら。至って普通の理由ですよ。普通じゃないって?
普通ですよ。私にとってはね。
まぁ、そんなこんなで引き取って彼を育て始めた。
引き取った時、彼は2歳だった。私は25歳。新人ほやほやだった。
潜入捜査しているし、仕事もしているが、当時の上官が融通を利かせてくれた。
そのため、彼を育てるのに困りはしなかった。
何やかんやあったが、彼は大学に進学し、採用試験を合格し、警察学校を卒業して晴れて警察官になった。
交番勤務してる彼はめちゃくちゃ真面目だった。凄かった。そして時々、景光くん、陣平くん、研二くん、航くんを連れて我が家で宅飲みをしていた。
微笑ましかったが私はとあることを思い出す。
我が息子(血は繋がっていない)は同姓同名だと思ってたけど、100億の男の安室透こと降谷零なんじゃない???てことはこの4人は警察学校組……??死んじゃうやつやん…??
うわ助けなきゃ。
そう思った私の対応は凄まじく早かった。職権濫用して警察学校組を警察庁警備局警備企画課に引き込みました。
なんでそんなこと出来るかって?
実は私、警察庁のNo.2なんですよ。えぇ、そうなんですよ。
何故か先月、現在の長官に呼び出されて「君、明日から次長官ね。」と言われたんですよ。経緯を話せって?分かりました。お話しましょう。
簡単に言ってしまうと、前次長官は膿だらけだった。国際犯罪組織、黒づくめの組織との繋がりがあったり、部下の女性を辱めたり等多々あった。
そいつを懲戒解雇した時に次の次長官になろうとするもの達も居たが、決して真っ白ではなかった。
そこで白羽の矢が立ったのは私だった。
40歳で警備局長(凄いスピード出世でここまで来た)だった私はある日長官に呼び出されて内密に次長官の膿を調べろと言われた。
言われるがままに調べ上げ、長官に提出した翌日、歴代最年少(45歳)で次長官になった。
早すぎたけど、給料高いし、潜入捜査終えられるし!と思って了承して、長官に「潜入捜査も終わりですね。」と告げたら「ん?それは続けて。」と返された。悲しかった。
ともあれそんな私は、先月で次長官になった。
今日は毎週恒例のお偉い様の会議なんですよ。ちなみに遅刻してます。
だって胃がキリキリしてトイレから動けなかったんだもん!!!仕方ないでしょう?!走らない程度に急いで会議をする部屋へ向かう。
扉を開けると長官以外の皆が立ち上がり、敬礼をしてくれた。毎度毎度凄いなぁと思ってしまう。
席に着き、前を見るとなんとまぁ我が息子とその友人たち4人が座ってるじゃないですか。
ちょっと待ってちょっと待ってお兄さーん!!!……古いとか言うなよ!!私はこれが好きだ!!
そう脳内で繰り広げてるけど、実はポーカーフェイス極めてるから無表情なんです。凄いでしょう。
ちゃんと会議には参加してるよ。内容?黒づくめの組織に関することばかりですよ。
聞き飽きた(鼻ほじ)って気持ちですね。おや、終わりそうだ。
「───以上で会議を終わる。降谷、諸伏、松田、萩原、伊達は明日、次長官の元へ行け。」
んえぇぇ?!マジで言ってるんすか長官……。
よろしく頼むぞ!って表情されても困りますってぇ……。
小さく溜息をつき、彼らに明日の10時に私の執務室へ来るようにと告げて会議室を後にした。執務室の中に入るとふにゃふにゃと座り込んでしまった。
イラストとかアニメとかで色付き?とかでは見たけど、今回はみんなちゃんとスーツ着てた…!
それを生で見れるなんて……!!!航くんのスーツ!レア!研二くんのネクタイ付きスーツのレア度やべぇ。みんなかっこいいよ…。
あぁ、仕事しなきゃ。今日はやることが沢山あるんだったわ。そう思って顔をぐにぐにと揉み、気分を仕事モードにして取り掛かった。
翌日。展開が早いって?文句は作者に言いな、私に言うんじゃないよ。
執務室で現在進行形の潜入捜査の資料を部下に纏めさせていたものが出来上がったので、それを見ていた。
コンコンとノックされて人が入ってくるのがわかる。どうせ部下だろうと思って話しかける。
「あぁ、来たか。菊地、すまないがこの資料をあと5部刷ってくれ。それと、」
「降谷次長官。」