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□第10章:踏み出す勇気
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『………怜治、コイツから離れてくんない?』
「何で、リーダーに言われなきゃならないんですか!?」
「…………」
何が起こっているのか頭がついてこれない。
西条君は黙ったままだった。
「俺は間違ったことはしてませんよ?あなたは"くれる"って許可しましたよね?」
「そうだな……」
「でしょう!?だったら、そこを退いて下さい」
「それは無理」
ビリビリと圧力が声から分かる。
「な、何を言ってるんですか?矛盾してませんか?」
伶治君が焦ってるとこ初めて見た。
「お前の存在自体が常に矛盾してるから大丈夫だと思うけど」
「…………」
あ、あれ!?
伶治君の方が有利だったような………。
西条君、凄く冷静だ。
それぐらい西条君は影響力があるんだ。
「お前はただ、正当な理由と偽って押し付けてるだけだと思うけど?このまま続けるならランクを下げても良いけど!?俺は困らないし………』
「そ、それは………」
「俺は本気だけど?………コイツにもう手を出さないならそのままでいさせてやれけど………」
「………わかりました。これ以上ランクを下げられると困るんで」
怜治君はため息をつきながら頭を掻いた。
そして、私の方へ歩み寄って来た。
「?」
腕を引っ張られた。
「またね、桜ちゃん♪リーダーに飽きたら俺んとこいつでもおいで」
そう言って怜治君は去って行った。
「…………」
西条君は去っていった伶治君をまだ睨んでいた。
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