薄桜鬼
□素顔の貴方
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出逢った瞬間わたしは貴方の柔らかい笑顔に恋をした
羅刹になってからは、時折寂しそうに笑う
そんな貴方を見る度、わたしは無力だと思い知る
貴方のために何も出来ない……
ならばせめて…少しでも貴方の近くにーー
『平助くん、山南さんは?』
『んー?たぶん部屋にいるんじゃねー?』
『そっか、ありがとう!』
少し急ぎ足で部屋に向かう
『失礼します、山南さん』
『あぁ雪村くん、どうされましたか?』
『近藤さんにお菓子をいただいたんです、ご一緒にどうですか?』
『私でよろしいんでしょうか?』
『もちろんです!!』
そそくさと山南さんに近付き隣に腰を下ろす
『ほう…これはまた美味ですね』
『ほんと美味しいです!』
近藤さんがくれたお饅頭はすごく美味しくて、あっという間に食べてしまった
『ごちそうさまでした』
『ごちそうさまです、美味しかったですね〜!』
『えぇ、いつもありがとうございます』
『いえ、わたしも頂きものですし…山南さんと食べたらすごく美味しくて…』
『おや、とてもお上手ですね、フフッ』
少し積極的に言ってみても軽く交わされる
これは全く相手にされていないのか、それとも鈍いのか……