〜霊狩〜
□悪霊がいっぱい!?
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桜舞い散る校庭
朝練をしてるであろう運動部達の声
絵に描いたような、平和な学校
に、依頼で来ている部外者。
まぁ、俺のことなんだけどさ。
旧校舎が何やらかんやら、とりあえず霊が原因で取り壊し工事が出来ないらしい。
「視る」専門の俺をどうして呼んだのかはわからないが、きっと少しでも人手が欲しいのだろう。
でも、正直霊がいる感じしないんだけどなー
とにかく旧校舎を見てみようと中に入ろうとしたところで問題発生。
靴 箱 が 倒 れ た
それも男の人を下敷きに。
「ちょっ、おい。大丈夫か?」
大の男がこれくらいでくたばるとは思えないが、すぐに駆け寄る。
血ィ流れてますよお兄さん。
「…貴方は…?」
いやそんな冷静にきかれても。
血ィ流れてますって!
「校長にここの調査を任された者、とだけ言っておく。」
とりあえず傷口にタオルを当てて救急車を呼ぼう。
よくみたら足も怪我してんじゃんこの人。
「たいしたことない」とは言えないが、あまりひどい怪我ではなさそうだ。
「あ、あの…」
「ん?」
声がしたほうを振り向くと、この学校の女性徒らしき女の子が若干青くした顔でこちらを見ていた。
「大丈夫。少し切っているだけで大怪我ではない。」
そういうと女の子はホッと息を吐いた。
「どうした?…リン?」
その時、奥の部屋から人が出てきた。
それも女の子と同じくらいの年頃の。
どうやら彼と女の子はお互いに顔を知っているらしく、少し話している。
しばらくすると女の子はダッシュで旧校舎から出て行った。
遅刻か…ドンマイ。
女の子がいなくなり部屋に三人になると、男の子に話しかけられた。
…どうでもいいけどコイツに「男の子」って違和感あるな。
男でいいか。
「それで…あなたは?」
俺が答えるよりも前に、怪我をした男の人が「同業者のようです」と言った。
そんなことよりも、実は結局タイミングがなくて救急車を呼べていない。
「とりあえず、その人病院に連れて行ったほうがいいんじゃないか?」
不満げではあったが、男は病院へと向かっていった。
これでやっと行動できる。
「さぁて。てきとうに歩き回ってみるか。…割と安全そうだし。」
そう呟いてから、俺は旧校舎を歩き始めた。