collabo

□縁下先生の相談室
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誰もいなくなった部室に声が響く。
「でさあ…俺ァ、今あいつと喧嘩してんだよ」
「あー…それは大変だね」
声の主は、二年の滝川敏嗣と縁下力だ。
なぜ二人だけかというと、唯一彼女のいる滝川が縁下に相談したい。と言ってきたからだ。

「どうやって仲直りすればいいと思う?」
「とりあえず機嫌を直してもらわないと」
「だよな…あ、これ田中たちには言うなよ?」
「ん、わかってるって」その時二人は外にいる人の気配に気づいてなかった。

一方、部室の外。息を殺して潜む影が三つ。
「龍、もう少しそっちよれよ!」
「いて!ノヤっさん、押すなって」
「…たなっさん、もう少ししゃがんで」
「空野まで押すなって…」
三つの影もとい西谷、田中、空野は必死に中の様子をうかがっていた。

耳を扉にあてるように縦に三人並んでる様は、まさに某国のスパイかなにかのようだ。
だが、別にスパイをやっているわけでもない。
中で行われてるのは取引ではなく、恋愛の勝ち組―滝川が何かを話しているだけだ。
なぜ三人だけ外に出されてるかというと
縁下曰く「お前らはひやかしてきそうだから」

あながち間違いではないのだが、それが不服だった田中と西谷が「スパイごっこしようぜ!」といいだして(成田・木下は帰宅した)空野がノリ今にいたる。

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