トリップしちゃった系女子です
□1初めまして、知ってる人達
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一分とたたずに捕まった私は、取り調べだったか事情聴取だったかをするとかで、よくわからない部屋に入れられた。
灰色の机を挟んで置いてある椅子には誰も座ってはいないが、見張り役とおぼしき男の人が扉の横に立っている。
妙に狭く薄暗くて、なんだか落ち着かない。男の人の威圧的な佇まいも居心地の悪さの理由のひとつだろう。
私は待っていろと言われ、大人しくこんな所に座っている。
ガチャリと扉が開いて、さっきの鬼が入ってきた。瞳孔開いてるんじゃないかなぁ、あれ。
「待たせたな。俺は土方十四郎、ここの……真選組の副長だ。色々聞かせてもらうぞ。言っとくがお前が逃げたりしたせいだからな」
私はただ頷いた。それを確認すると、土方……さんは早速口を開いた。
「名前は?」
「藍川、瑠璃」
逃げたりしたにもかかわらず素直に答えたことが意外だったのか、拍子抜けしたような顔をする土方さん。
しかし私が見つめているのに気がつくと、咳払いをして質問を続けた。
「歳はいくつだ」
「16歳」
「あ……?いや、なんでもねえ。次だ。住所」
「え……っと」
なんと答えれば良いのか困っていると、土方さんはすぐに再び声を発した。
「聞き方を変える。・・・どこから来たんだ?」
「あ───」
変えられた質問に更に狼狽し、やっとの思いでなんとか出てきた答え。
「わ……かんない…………」
もう、散々だ。