□Harry Potter:Sirius□

□1、ファーストキス
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-1、ファーストキス-




ブラック邸に下宿してから間もないというのに何故かリナは昔からここにいるような気がしてならなかった。

日曜の朝、相変らずシリウスはブラックの珈琲を飲みながら新聞を読んでいる。

「まるで休日のパパみたい」

「は?」思わず声に出して言うとシリウスは目は向けずに反応した。

「ねぇねぇ、ずっとここで新聞読んでるの?」

アンティークなテーブルに座り尋ねるリナにシリウスはため息を吐く。

「人に何か尋ねる時は、ちゃんと席に座るのが常識だ」

「…はいはい」

まるで父親のような発言をするシリウスにリナは呆れていた。

「新聞は読むべきだ。世の中がすぐに分かる」

「もういいよ。聞く気失せたから…」

リナは頬杖を付く。



暫くブラック邸でのんびりするも、やる事なくリナは退屈そうにソファーで横になっていた。

するとシリウスは先日届いた親からの音楽が鳴るカードを開いてみる。

「この曲いいよな。昔はずっと聴いてたもんだ」

シリウスは音楽にノッており、リナは顔をしかめた。

「よくこんな音楽にノれるね…。ジェネレーションギャップだわ」

肩を竦めるリナにシリウスはムッとする。

「70年代を知らないからそういう事を言うんだ」

「へぇー」

興味なさそうにカードを閉じたリナは自室へと戻った。



特にやる事が思い浮かばずカードを広げベッドに腰を掛けワインレッドのペディキュアを塗ると、音楽に合わせてノってみる。

気が付けば口ずさんで歌えるようになっている自分に驚き、暇の恐ろしさを思い知った。



漸く夜になり、リナは歌を口ずさみながら居間へ向かうとシリウスは満足そうに笑っている。

「何だかんだ、気に入ってるじゃないか」

彼も一緒に口ずさみリナはハモりを入れてみると2人は熱唱した。


「いやぁ、思ったよりハマっちゃった…」

ゼーハー肩で息をしながらリナは答えるとシリウスは微笑む。

「言っただろう?70年代の音楽は最高だって」

満足そうな彼の顔にリナは気に喰わなそうに顔を顰めさせた。
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