□Harry Potter:Lupin□
□8、過去
2ページ/4ページ
体をスッキリさせたいと思ったリナはシャワールームに入ると鏡を見て驚いた。
髪の色がダークブラウンに戻っていたのだ。
そしてダンブルドアが掛けた魔法が何だったのか、気がつく。
「全ての魔法を解く魔法…」
ボソッと呟くリナは思わず笑い額に手を置いた。
「思いつかなかった」
まさか簡単に戻る方法があったと思うと尚更笑えてきた。
上の階で彼女の笑い声を聞いたシリウスは不気味に思っていた。
「とうとうイカれちまったか?」
上を指差すシリウスにリーマスは笑っていた。
「元々イカれてたさ」彼の返しにシリウスも笑う。
シャワーを浴びたリナはバスタオルを巻いたまま2人の目の前に現れるとシリウスは咄嗟に目を手で覆った。
「何か着たらどうだ?」
その言葉にリナは仕方がなさそうに服を着ていくとふとリーマスと目が合う。
「私が帰った後の話を聞いてもいい?ベラトリックスが現れてどうなった?」
「どうなったもダンブルドアの魔法でそこにいた未来の奴らは一斉に姿を消したんだ」
「ダンブルドアの魔法って侮れない」
驚くリナにシリウスはゆっくりと目を開けた。ちゃんと服を着ている彼女にホッと胸を撫で下ろすシリウスを見てリナは不敵に笑う。
「変な感じ。さっきまで子供の貴方たちと一緒にいたと思うと」
「子供と言っても君と同い年だ」
そう付け加えるリーマスにリナは微笑んだ。
「私達からすると随分と昔の話だ」とシリウスは懐かしがっているとリーマスは顔を俯かせながら笑っていた。
「指輪も壊れちゃって、何か任務失敗しちゃった感じ」
肩を竦めて答えるリナにリーマスは首を横に振った。
「そんな事ないさ。君は充分に私たちに与えてくれた」
「いっつも大袈裟だよリーマスは…」
思わず彼の名前を口にするとリナは気まずそうに彼の顔を見た。しかしリーマス自身は気が付いていないのか何もなかったかのように微笑んでいた。
「もう少し話をしていたいところだが、今夜はもう寝よう」
そしてリーマスはそう話すと部屋へと戻っていった。
シリウスと2人きりになったリビングでリナは深いため息を吐くとシリウスはじっと彼女を見つめた。
「リーマスに惚れたか?」
その問いにリナは目を閉ざしながら頷いた。
「まさかとは思ったけど」
「惚れることは悪いことじゃない。だが、そればかりは酷く傷つくことになる」
「どういう事?」
尋ねるリナにシリウスは意を決したように話した。
「あいつは随分と昔にお前との思い出に決別したんだ」
「分かってるよ。元々は私達は教師と生徒の関係だったし」
肩を竦めるリナにシリウスはただ見つめていた。