□Harry Potter:Lupin□
□7、決意
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「貴女に良いニュースと悪いニュースがあります」
マクゴナガルは紅茶を作りながらリナを見つめた。
「良いニュースからお願いします」
そう話すリナにマクゴナガルは笑った。
「この調子ですと動物もどきは今日中に習得できます」
「あまり良いニュースじゃないかも…」
「何かおっしゃいました?」
「いえ、何でも」
口を隠すリナにマクゴナガルは目を細めながらティーカップに紅茶を注ぐ。
「それで悪いニュースというのは?」
「その事ですが…、あの人狼グレイバックが貴女の噂をどうやら死喰い人に流したようで」
「どんな噂なんです?」
「未来から来たとバレたんです」
キッパリと話すマクゴナガルにリナは耳を疑った。
「だからと言って私はどうすれば?」
「そして悪いニュースというのはこっからなのです」
「え?」
顔を引き攣ったリナにティーカップを差し出すマクゴナガルは優しく彼女の手を握った。
「ミス・ギルバート、心して聞きなさい。過去に異変が起きたと悟った死喰い人が続々と未来から来たようです。狙いは間違いなく貴女かと」
「わお」
実感のないリナは肩を竦めながらティーカップに口を付ける様子にマクゴナガルはもう一度口を開く。
「いいですか?彼らの狙いは貴女なんですよ?一刻も早くここから去った方がいいでしょう」
「でも約束の動物もどきは?」
「そんな、彼らに殺されたら元も子もありませんよ?」
「確かに…」
そう呟いた瞬間だった。
「ギルバートはここにおるか?」
ダンブルドアの声に2人は顔を上げた。
「そんなに慌ててどうしました?」
立ち上がるマクゴナガルにダンブルドアはリナを見つめた。
「ここは危険じゃ。早くこちらへ」
手招きするダンブルドアを見てマクゴナガルは急いでリナを立たせるとダンブルドアの元へ向かわせた。
「どこへ行くんです?」
リナの問いにダンブルドアは小刻みに頷いた。
「戻るべき時代へじゃ」
その言葉にリナは思わずダンブルドアの手を振り払う。
「今?」
「何か問題でも?」
振り返るダンブルドアにリナは頷いた。
「友人に別れを言う時間もありませんか?」
必死な少女の眼差しにダンブルドアは渋っているとマクゴナガルが間に入る。
「なら私が時間稼ぎをしてみましょう」
目で訴えるマクゴナガルにダンブルドアは頷いた。
「いいですかミス・ギルバート。限界は10分ですよ?」
「ありがとうございます!」
マクゴナガルの手を強く握りリナはこれ以上になく感謝を告げた。
「若者の愛ほど強いものはないのぉ」
肩を竦めるダンブルドアにマクゴナガルは笑った。