黒子のバスケ
□届かない、届けたい
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高尾side
俺は高尾和成。高校一年、バスケ部所属。
自分でいうのもアレだけど結構上手い。
まぁうちのエース様ほどじゃないけど?ww
「お、高尾、おはよ!」
「おはよー」
「お前、昨日の○○番組見た?あれさー…」
いつも通りクラスの奴らとくだらない話をして、授業受けて、
又にうちのエース様、真ちゃんをからかったりして、部活に行く。
いつも通りだった。
俺は最近気になる子がいる。
いや、別に好きとかそういうのじゃないぜ?
ただ気になるってだけ。
彼女はいつも体育館のドアの脇から部活を見てる。
何を見ているのかは知らない。
ただ毎日毎日、楽しそうに見ている。
別に特別可愛いってわけじゃない。むしろ、地味っていう部類に入る。
黒髪に黒縁メガネ、スカートも長目でリボンもしっかり結んでいる、超真面目っ子スタイルだ。
今日もいつもと同じ所で楽しそうにこちらを見ている。
今日の俺はちょっとその子の事を気にしすぎてたみたいだ。
いつもはしないようなパスミスをしちまった…。
しかもそのボールは運悪く彼女に向かって飛んでいく。
「!危ないっ!!」
『………ぇ?』
叫んだ時にはもう彼女に当たっていて、慌てて駆け寄ると彼女の意識はなかった。
「おい!大丈夫か?!」
抱き起こすといつも着けているメガネは外れていて、目にかかるくらい長い前髪が左右に流れ、いつもしっかりと見えない顔が見えた。
…不謹慎だけど可愛いと思った。
てか、メガネを取ったら美少女って…ベタな少女漫画かよ!!
「おい、高尾!
ぼさっとしてないでさっさと保健室連れてってやれ。」
後ろの先輩達からそう言われ、俺は軽々その子を抱き上げる(お姫様抱っこw)と、保健室へと急いだ。
「今日は早退しますー」と言いながら。