キッド連載
□プロローグ
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飛んだ。
ひたすら飛んだ。
逃げたかった。
逃げなくてはならなかった
ひとりぼっちで何日も、何日も
ああ、こんな空虚な空を一人で飛ぶのなら
誰かの後ろを飛んでついて行ければいいのに。
道を選ぶ必要もないし、なにより一人じゃない
ついて行こうと思える人はきっと、信用できる人だから私は何の疑いもなくその人について行
くのだ。
青い空にはもう飽きた。
もっと刺激的な色がほしい。
飛ぶのはもう、疲れたよ
いつか見つかるかな。
私に新しい世界を見せてくれる人――−−-…・・・
――RED IRON――