◇A物語

□ダイヤのA 第一球
1ページ/5ページ



「志桜里〜!」


遠くから私を呼ぶ声が聞こえる


「志桜里!キャツチボールしてくれよ!」


目を輝かせ手にはボールとグローブを持ち私を見上げている


「(相変わらずだなぁ)チョイチョイ栄純クン、私これから部活なんですけど…;」

「えぇー今日、日曜日だぜ?」

「残念、中学生は土日も部活なんです」
ドヤッ

「つーことは野球し放題じゃねぇーか!! いいなぁ、オレも中学行きてねぇー!!」

「あと4年たてばなれるでしょ」


私は当たり前の事に溜息が出る
すると栄純は頬を膨らませ、眉をつり上げて言う


「それじゃあダメなんだって!!!」

「??」

「だって…それじゃあ、志桜里と一緒に学校で野球できねぇもん」

「…栄純(それは確かにできないわ;)」


栄純の言葉に苦笑する


俯きまだ膨らませている栄純の頬を両手で包み込み…押した案の定「ブッ!!」と音が出た


「!〜〜〜〜!?な、なにすんだよぉ〜!!」

「そう言う事はちゃんとキャツチボールができるようになってから言えっての」
ニッ


抗議する栄純の頭を撫で髪の毛をかき混ぜる


「〜〜〜!!うっ!そ、そうだけどっ…」

「だから帰ってから付き合ってあげるから」


その言葉にハッと顔を上げる


「それまで遊んでなよ
ほら、お迎えがきたよ」

「栄純ーー!」「栄ちゃーーん!」

「若菜ちゃん達にも手伝ってもらったら?」

「おう!なーなー何時くらいに終わる?」

「んー?どーだろうなぁー5時くらいかな?」

「わかった!オレそのくらいに「栄純だけズルーイ!私も志桜里ちゃんと遊びたい!」

「ぜってぇーや!!志桜里はオレとキャツチボールするんだ!」

「栄純はいつでもキャツチボールできるじゃん!」

「いつもじゃねぇーもん!」

「どうせ一緒に住んでるんだし、毎日志桜里ちゃんに会えるんだから!」

「「「「そーだそーだ!」」」」

「うっ!…;」

「コラコラ、そこまでにしてくれ;
私、部活行きたいし、部活のみんな待ってるから。栄純はちゃんと家で待ってるんだよ!
若菜ちゃん達は来週遊ぼう?」

「「「「「うん!わかった!」」」」」

「じゃあ、いってきまぁーす」

「「「「「「いってらっしゃぁーい」」」」」」


私が大きく手を振ったらみんなも大きく手を振ってくれた


(なごむなぁー)

ホワン





NeXT
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ