◇A物語
□ダイヤのA 第一球
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「志桜里〜!」
遠くから私を呼ぶ声が聞こえる
「志桜里!キャツチボールしてくれよ!」
目を輝かせ手にはボールとグローブを持ち私を見上げている
「(相変わらずだなぁ)チョイチョイ栄純クン、私これから部活なんですけど…;」
「えぇー今日、日曜日だぜ?」
「残念、中学生は土日も部活なんです」
ドヤッ
「つーことは野球し放題じゃねぇーか!! いいなぁ、オレも中学行きてねぇー!!」
「あと4年たてばなれるでしょ」
私は当たり前の事に溜息が出る
すると栄純は頬を膨らませ、眉をつり上げて言う
「それじゃあダメなんだって!!!」
「??」
「だって…それじゃあ、志桜里と一緒に学校で野球できねぇもん」
「…栄純(それは確かにできないわ;)」
栄純の言葉に苦笑する
俯きまだ膨らませている栄純の頬を両手で包み込み…押した案の定「ブッ!!」と音が出た
「!〜〜〜〜!?な、なにすんだよぉ〜!!」
「そう言う事はちゃんとキャツチボールができるようになってから言えっての」
ニッ
抗議する栄純の頭を撫で髪の毛をかき混ぜる
「〜〜〜!!うっ!そ、そうだけどっ…」
「だから帰ってから付き合ってあげるから」
その言葉にハッと顔を上げる
「それまで遊んでなよ
ほら、お迎えがきたよ」
「栄純ーー!」「栄ちゃーーん!」
「若菜ちゃん達にも手伝ってもらったら?」
「おう!なーなー何時くらいに終わる?」
「んー?どーだろうなぁー5時くらいかな?」
「わかった!オレそのくらいに「栄純だけズルーイ!私も志桜里ちゃんと遊びたい!」
「ぜってぇーや!!志桜里はオレとキャツチボールするんだ!」
「栄純はいつでもキャツチボールできるじゃん!」
「いつもじゃねぇーもん!」
「どうせ一緒に住んでるんだし、毎日志桜里ちゃんに会えるんだから!」
「「「「そーだそーだ!」」」」
「うっ!…;」
「コラコラ、そこまでにしてくれ;
私、部活行きたいし、部活のみんな待ってるから。栄純はちゃんと家で待ってるんだよ!
若菜ちゃん達は来週遊ぼう?」
「「「「「うん!わかった!」」」」」
「じゃあ、いってきまぁーす」
「「「「「「いってらっしゃぁーい」」」」」」
私が大きく手を振ったらみんなも大きく手を振ってくれた
(なごむなぁー)
ホワン
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