鋼夢物語

□桜華の錬金術 第二話
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駅のホームの一箇所



「うは…すげーなこりゃ……」


一人の憲兵が先ほどマスタングがバルドを吹っ飛ばした跡を見ていた。

. .
「ああ、大佐のあれ見るの初めてか」
「あ…ハボック少尉」
「いったい、どうやったらあんな事ができるんですか!?」
「大佐の手袋は発火布っつー
特殊なので、できててよ。強く摩擦すると火花を発する───」


ハボックは二人の憲兵達に説明しながらタバコにライターで火をつける。


「あとは、空気中の酸素濃度を可燃物の周りで調整してやれば……“ボン!”だそうだ」
「理屈はわかりますけど、そんな…」
「それをやってのけるのが錬金術師ってやつよ」
「ちなみに大佐のとなりにいるちっこいのとピンクの目の女の子も錬金術師だぞ」
「え!! ブロッサム少佐は知っていましたが、あんな子供も」
「じゃあ、今回の犯人全員取り押さえたのって……」
「信じられんな……」
「ああ…」
「人間じゃねぇよ…」
「つーか、なんで姫さ、ブロッサム少佐の事は知っててあのちっこいのの事は知らねぇんだよ」
「いやぁまぁ、ブロッサム少佐は有名だしなぁ」
「なぁ」


ハボックは、そんな憲兵の態度を見ながら呆れた。



「そういう事にしといてやるよ」


そう、溜息をつくとまた作業に戻った。







…………………………





ここは大佐の職務室、今、私はエルリック兄弟に逃げないようにと
のまま連行され、大人しくソファーに座っています。



(流石にもう逃げないっつうの)


「今回の件でひとつ貸しができたね大佐」
「エドエド、すごい悪い顔になってる」
「……君に借りをつくるのは気色悪い」
「確かに…」
「兄さんに借りをつくられると、大変だしね」
「お前ら………」
「いいだろ何が望みだね」
「さっすが♪話が早いね」


大佐は肘をつきながら溜息をついた。


「この近辺で生体錬成に詳しい図書館か錬金術師紹介してくれないかな」
「今すぐかい?せっかちだな、まったく」
「オレ達は、一日も早く元に戻りたいの!あっ!」


エドとアルは、ハッとした様に私を見た。



(あっ、そっかエド達は私が人体錬成したこと知らないって思ってるのか)


「エドとアルがトリシャさんを人体錬成しようとしたことは知ってるよ」
「えっ、なんで…」
「だって、大佐とその時一緒にいたし」
「はっ???」
「??どういうこと?」


兄弟は、頭の上にハテナをとばしている。そんな二人に苦笑し



「あ、やっぱ気づいてなかったか、大佐とリザさんがリゼンプールに初めて来た時、一緒にいたの私だよ」


「「えぇ――――っ!!」」
「よかった…あれ結構、自身あったんだよね♪」
「いやいや、あんときいた人男だったじゃん」
「男装だよ」


もうそんな私に兄弟はなにも言えない


「鋼の、あったぞ」
「あ、あぁ」
「“遺伝的に異なる二種以上の生物を代価とする人為的合成」────つまり、キメラ錬成の研究者が市内に住んでいる」
「大佐、それって…」
「あぁ、“綴命の錬金術師”ショウ・タッカー」


……車内…………



(なぜ、私までここにいる…)



「2年前、人語を使うキメラの錬成に成功して国家錬金術師の資格をとった人物だ」
「人語を使うって……人の言葉喋るの?キメラが?」
「そのようだね、私は当時の担当じゃないからな。実物は見てはいないのだが、人の言う事を理解し、そして、喋ったそうだよ」
「ただ一言───“死にたい”と」
「…………」
「その後、エサも食べずに死んだそうだ……まぁ とにく、会ってみることだね」
「つーか、なんで私まで一緒なんですか」
「どうせ目的は一緒なのだからいいだろう」
「いやいや、だからこそ他のじょうほ「お、おい!どういう事だよ、オウリもオレ達と同じ物探してるって……もしかして」
「多分、エドの思ってること正解…
私も探してるの────────

賢者の石を───」

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